第二十二話 セーリングに特化



      
デイセーラーはセーリングに特化したヨットです。セーリングを最大限に味わう為にデザインされ、建造されています。だから、キャビンはシンプルで良い。いろんな物があると良い様に思えて、でも、そこにも気を遣う事になります。セーリング以外は必要最低限。その代りセーリングが充実してますから、自然とそこにより意識が向かいます。だから、セーリングをより味う事ができます。

どんなセーリングを味わいたいかはお好み次第で、いろんなタイプのデイセーラーがあります。極めて安定性の高いヨットから、超ハイスピードのヨットまで、いろんなタイプがあり、全てデイセーラーです。サイズも20フィートあたりから60フィートぐらいまであり、でも、全部シングルハンドのデイセーラー。セーリングを楽しむのなら、選り取り見取りです。

旅も良いし、レースも良いが、もっと身近なセーリングに注目して、様々なセーリングを味わっていく。そのセーリングはクルージング艇やレーサーのそれとも違います。同じ風の中を走っても、セーリングが違う。だからフィーリングも違います。同じ道路を走っても、車によって違うのと同じです。目的地がある時、意識はそこにあります。でも、目的地が無い時、意識はその今のセーリングにあります。その今のセーリングに意識が向かう時こそ、セーリングをより味わう事ができる。

建造する側も同じです。クルージング艇やレーサーを造る時、造る側の意識はどこにあるか?それを考える時、デイセーラーを建造する職人の意識はセーリングにある。だから、乗る人もそこに特化すると、よりそのヨットを味わう事ができる。

レーサーだって、クルージングできるし、デイセーリングもできる。でも、建造した職人の意識はレースに勝つ処にある。クルージング艇も同様で、レースも出来ればデイセーリングも出来る。でも、職人の意識は旅にある。だから、乗る人も同じ意識で、それぞれのヨットを味わうのが最も良い乗り方なんだろうと思います。

セーリングをもっと身近に置いて、セーリングをもっと気軽に楽しんで頂ければと思います。写真はオランダのイーグル44。このサイズでもシングルハンドで気楽に遊ぶ事ができます。それがデイセーラーの良さのひとつでもあります。

        

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