第二十六話 SADR値バリエーション



      
SADR値は、そのヨットの重さ/軽さとセールのパワーを感じます。そのバリエーションはSADR値15辺りから上は40ぐらいまであります。さらに、サイズで言えば、20フィートから上は60フィートぐらいまで、カスタムとしてでは無く、プロダクション艇として提供されています。これ程のバリエーションは他のジャンルのヨットにはありません。選り取り見取りです。

さて、どの程度のSADR値を選択すれば良いか? これは各人各様ですが、一般的に既に慣れたヨットと比較してみると解り易いと思います。沿岸用のクルージング艇なんかですと広く出回っていますから、これで比較してみます。もちろん、サイズが大きくなればなる程SADR値を上げ易くなりますから、同じぐらいのサイズで比較する事が妥当と思われます。

デイセーラーで世界的に最もポピュラーなサイズは30フィート前後です。多くのモデルがそこに集中しています。デイセーラーの特徴は、30フィート前後でも、SADRが20前後から30オーバーまである事です。
さて、30フィートぐらいのお馴染みの沿岸クルージング艇では、だいたいSADR15から17という処です。
それから見ますとデイセーラーはそれ以上のポテンシャルである事がわかります。つまり、どれを選んでも、クルージング艇より速い。

さらに、デイセーラーはデッキの高さが数十センチ低くデザインされています。という事は重心が低いし、コクピットの位置が海面に近い。つまり、仮に同じスピードでもスピード感が勝ります。この事は重要で、セーリングは感覚が大事ですから、数値データだけでは無く、何々感も重要だと思います。

さらに比較しますと、レーサークルーザーと言われるヨットではSADRは25前後です。レーサーですと、
30を超えていきます。つまり、デイセーラーでは、クルージング艇より速く、モデルによってはレーサーに匹敵するポテンシャルを持つヨットまであります。そして、それが他と違う処は、全てシングルハンドを可能にしているという事です。そして、さらに、安定性においても、それらを凌ぎます。当然ですね。シングル前提がありますから。

        

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