第七十七話 夏休み



      
ヨーロッパの造船所から夏休みのお知らせが入ってきています。だいたい、どこも約一か月の休み。会社丸ごと閉めてしまいます。それが毎年の彼らの習慣です。 そこで彼らは、クルージングに行ける。と言っても往復を考えるとそう遠くは行けません。 だから、結構、ヨットは地中海に置いていて、そこに飛行機で飛ぶとか、或いは、ヨットを事前に運んでくれる会社、回航じゃ無くて、船便で運ぶのもあります。

さて、日本は? 意外に日本も休みは多い。但し、飛び飛びなんです。 土日以外に祝日と称して休みが、年間トータルすると結構多い。しかし、連続ではありません。だから、なかなか遠くへクルージングというわけには行かない。という事はどうしても近場になってしまいます。

だったら、旅は飛行機や新幹線で、セーリングは近場を、それこそセーリングの妙を楽しむ為に使うという割り切り方もできるのではないでしょうか? それがデイセーラーは日本に合うと思う理由のひとつです。 そして、そう割り切ってしまうと、ヨットも楽しめるし、ヨット以外のレジャーも楽しめる。ヨットに囚われなくなる。そういう考え方も悪く無いと思う次第です。 温泉に行ったり、スキーに行ったり、他のスポーツしたり、ハイキングやキャンプや登山や、いろいろあります。

セーリングもそのひとつ。しかし、セーリングする時は存分にセーリングならではのフィーリングを楽しみます。 近場に割り切れるからこそ、違うセーリングスタイルとして、よりセーリングを深く楽しめる。そういう考え方は如何でしょう? ヨットをもっと気軽に考えて、気軽に接する事ができます。


        

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