第二十八話 相対性と絶対性


      


他人より大きなヨットと思うのは相対性、他人は関係無く、自分サイズを求めるなら絶対性です。人はその対象とする内容に寄って、どっちかが強く働くようです。例えば、他人より、より遠くへクルージングに行った事があるとか、あっちもこっちも行った事があるとか。スピードにしても他艇より速いとかもそうです。
これが自分が行きたいから行く、速いのが好きだからとか、そういうのなら絶対性が強くなり、その方が本当に楽しむ事ができる。

つまり、価値観の違い。他人と比較し、相対性優位を求めるうちは、そのものを楽しむ事より優位性の方が勝っているかもしれません。という事は、優位性が薄れていきますと、乗らなくなりますね。ただ、優位性を求めるのは人の常、だからそこに留まらない事が重要なのかもしれません。

ヨットに何を求め、何を経験したいのか?味わい、フィーリング、経験、等々こそが重要ではないかと思います。どうせそのうち歳を重ねてヨットから引退する日が必ず来ます。だからこそ、何を経験してきたかが重要だと思います。その経験は常に時間と伴に一体です。

デイセーラーはシングルの気軽さと様々なセーリングパフォーマンスを提供します。そしてヨット本来の美しさです。そこにピンときたら、デイセーラーこそが絶対です。


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