第五十四話 リフレッシュデイセーリング


      

遅いのは御免だが、別にレースで勝ちたいわけじゃないからスピード性能はそこそこあれば充分、ゆったり操船できて、滑らかで、美しいヨットが良い。若い時の様にハードなスポーツはご免だが、でも、そこそこセーリングの妙は感じれる。真っ直ぐ走る時でさえ、微妙な風の変化が解る感性があって、それを追っていく自分のセーリングが陸上とは違う別世界を感じさせてくれる。

ゆったり走るも適度な緊張感を保ちながらセーリングの妙を楽しむ。デイセーリングにはそういう時間を気軽に味わう事ができる。仕事から離れ、家族からも離れ、一切の陸上生活から離れ、もちろん、それが嫌なわけじゃないが、この時ばかりは完全なプライベートを楽しむ。

考えてみたら、こういう種類の心地よい緊張感は他に無い。海というフィールドのせいもあるだろう。陸上生活の全てから離れセーリングに浸っている時間は、自分自身をリフレッシュさせるには最高の手段、出航前と帰って来た時の気分が違う。

デイセーリングはいつも見慣れた風景、だからそこに変化は無い。しかし、セーリングに浸ったら、風はいつも変化している。今日の風はどうなんだろう、今日のセーリングはどうなんだろう。何ノットスピードが出たというのも楽しむが、その日の風を、その日のセーリングをそのまま味わってくるという感じ。

上手かろうが下手だろうが、セーリングの時はセーリングに夢中になってみては如何でしょうか?その集中こそが、日常に戻る時にリフレッシュしてくれる思います。時々であっても、こういうセーリングを楽しめるというのは幸福だな〜と感じます。

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