第六十三話 おもてなし


      

豪華列車が人気だそうです。予約でいっぱい。確かに、そんな列車で優雅な旅を満喫してみたい。多分、おもてなしは至れり尽くせりなんだろうな〜。これが一般的な大人が望む遊びです。おもてなしの世界です。飲みに行ってもサービスが良いとか悪いとか。それによって気分が違う。我々の遊びは他人からのもてなしの良し悪しに寄る。

ところが、遊びにはもうひとつの面がある。自分自身が主体となって創り出す遊びです。自分が創造するわけですから決して楽ばかりでは無いかもしれない。しかし、この恩恵ははかり知れず、楽しさを遥かに超えた面白さを生み出す事ができる。これはおもてなしを受けるのとは次元の違う遊びです。

何故面白いか?自分で考えて、自分で操作して、遊びを自分で創造していく。これには必ずと言って良い発展がある。その発展は創造する限りずっと続いていくものです。わくわくする感じ、ドキドキする感じ、時に全くの無心になる事もある。これに勝る面白さは無い。楽しさなんかの次元では無い。ただ味わうものでは無く、創り出すもの、それが面白さそのものではなかろうか。

夏には冷たい飲み物を、寒い時には温かさ、そういうのもあるだろうが、もちろんそれらを否定はしないが、ヨットにはもうひとつ先にセ―リングの妙という面白さがある。そこを創造しないとしたら、ヨットなんかに乗ってるより、豪華列車に乗っておもてなしを受けてた方が楽しいんじゃなかろうか?

ヨットは自分が主体になって動かすもの。そこに楽しさだけを求めるならそのうち飽きてくる。そこにおもてなしも無い。しかし、面白さを求めたら、また子供の頃の様に夢中になれる。

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