第五話 旅とパフォーマンス


      

クルージング艇であっても、やっぱり速い方が面白い。エンジンで行く旅ばかりやるわけじゃあ無いし、キャビンにこもってばかり居るわけじゃ無いから、やはりセーリングを楽しみたい事も少なくない。という事で、今回のご紹介はハイパフォーマンスのクルージング艇。

スウェーデンのアルコナヨットですが、写真はアルコナ465。排水量は10tを切っています(9,550kg)。そのうち4,080kgはキールなんです。船体の軽量化にも拘わらず、でも、内装の造り込みのレベルも高い。これがこの造船所のコンセプト。品質的にかなり上行くヨットです。

何だかんだ言っても、やっぱりセーリングはヨットの醍醐味ですね。旅としてのヨットも良いんでしょうが、セーリングの面白さは欠かせません。ハイパフォーマンスヨットは、ただ速いだけでは無く、反応の良さや加速感、操船する事に面白さを感じさせてくれます。


セーリングパフォーマンスを高めるには、船体の軽量化と剛性を高める必要があります。そのうえで、内装をどこまで造り込むか?内装をもっとシンプル化すれば当然軽量化もできる。ここは造船所によって異なります。セーリングと旅のバランスですね。そう言えば、以前、他の艇でしたが、メインサロンだけ造り込んで、前後は何も無しにした方がおられました。ここまで割り切れる方は少ないが気持ちは良く解ります。クルージング艇と言えども、パフォーマンスをどう考えるかは重要ではないかと思います。

こんなサイズでも、電動ウィンチとか使えば、二人で充分セーリングを楽しめる。そんな時代なんですね。


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