第四十六話 旅のイメージ


      
フライヤー33デイセーラー

旅をするならクルージング艇というのが常識かもしれませんが、でも、旅にもいろいろあります。世界を回る旅から、近所の旅まで、それを全部旅と称して、クルージング艇が良いと言うのは、早計です。もちろん、クルージング艇と称するヨットにもいろいろあります。どんな旅を想定するかに寄って、合う、合わない、持て余す、物足りないがあります。

旅とクルージング艇をイコールと固定しないで、もっと柔軟に見ます。自分が想定する旅のイメージはどんなものか?それさえ満たせば良いわけですから。そのイメージを具体化すると、旅以外の部分のイメージも出きて来る。つまり、ヨットライフ全体のイメージが出来てくる。そうすると、ヨットライフは旅だけでは無い事が解ります。

つまり、旅の如何に寄っては、どんなヨットでも良いという事もあります。沿岸の近所の旅、数日間を費やす旅、それだったら、デイセーラーでも、レーサーでもできる。つまり、それをクルージング艇と固定する事によって、多くの事を逃しているかもしれません。考え方次第で、ホテルを併用するなら、ロングだって可能になります。

上の写真は33フィートのデイセーラーです。シンプルですね。4人が寝れて、トイレもあります。毎日夕方には、どこかの港に入るとするなら、楽に旅をする事ができます。たくさんの物を最初から積み込む必要もありません。現地調達も可能になります。まして、ホテル使うなら、ヨット泊より快適でもありますから、長期だってできます。

つまり、デイセーラーで充分堪能できる旅もあるという事です。そうする事によって別の恩恵が出てきます。それは旅以外の日常において、クルージング艇より遥かに快適なセーリングを堪能できるという事です。友人か家族と、日常的に上質のセーリングを味わう事ができる。レースに参加しても面白いし、シングルでセーリングに自由自在感を持って楽しむ事もできる。大きな旅を想定しない限り、クルージング艇である必要性は低いと思います。もはや、レースしないからクルージング艇というお決まりのコースはナンセンスだと思います。

如何にもレーサーの様に見えるヨットでも、彼らは、家族とクルージングの時はこうだとか言います。それで、充分満たせる事を彼らは知っています。考え方次第で、どうにでもできる。これまで、旅という言葉と、クルージング艇という言葉に縛られてきました。欧米との歴史の違いかもしれませんね。でも、日本人も変わりつつあります。

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