第五十五話 のんびり


      

速いヨットだって、こんなに風にのんびりも走れます。セーリングってのは、本当にバラエティーに富んでいます。強風でリーフして、緊張感たっぷりで走るかと思えば、写真の様なのんびりもある。だから、面白いんでありますね。その時々のセーリング、今日はどんなかな〜?

ちょっと走って来ると言い残して、マリーナに向かう。ササッと準備して、ヨットを出す。その日のセーリングは、どんなフィーリングをもたらしてくれるだろう?いつもグッドとは限らない。それもセーリング、のんびりも、本気もセーリング。

今日は、メインテナンスをしようか。いつも走るセールフィーリングを、より高くす維持する為に。それは、そのグッドなセールフィーリングを知っているからこそです。あの感覚が損なわれるのは嫌だから。そうなると、シート類だって、硬くなったら使いずらいし、セールだって、伸びきったら、思うセーリングを味わえない。キャビン内の装備はシンプルで良いが、セーリングに関しては気を遣う。自分の味わいの為だから。自分で出来る限りのメインテナンスもやる。それは覚えるからという理由もありますが、それだけじゃ無い。自分の中に、セ―リングの感覚があるからです。

そんなセーリングを続けて行くと、いつの間にか、自分の感性が一致していきます。ほんの少し何かが違っただけでも感じてしまう。そんな感性を持つ自分になれたら、気分も良くなります。だから、自分のヨットだけは、美しく整備しておきたい。見渡せば、カバーが破れていたり、シート類が固いとか、船内は多くの物で埋め尽くされ、そんなヨットが少なく無い。

それは兎も角、いつものセリフ、美しいヨットを美しく走らせましょう。デイセーラーはこれに尽きる。ヨットはどれでも同じじゃ無い。全然違います。

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