第五十九話 スウェーデンから


      
TARAC 33

スウェーデンからも出てます。TARAC33。デザインとしては、特に奇抜さは無く、オーソドックスな感じがします。セールは、お決まりのセルフタッキングジブとメイン、そして、フォアステーの位置が、先端では無く、少し内側に位置していますので、バウポール無しでジェネカーの展開も出来る様です。

仕様を見ると、全長は9.96m、水線長は8.85m、幅は2.70m、吃水1.75m、デイセーラーとしては、ちょっとクラシック感のする標準的なバランス、排水量は3,200kg、バラスト1,400kg、セール面積61.8uです。排水量はそう軽くは無い様ですが、その分バラストが重い。また、セール面積が結構あります。バックステーを排して、メインのローチが大きく取ってあるせいでしょう。かなりのハイパフォーマンスだと思います。この辺りは、メインをどうするかで変わってきます。普通のセールから、スクウェアートップまで。

セルフタッキングジブのレールが左右に少し長い様な気がしますが、左右にスライドするシートブロックは、マスト前の中央からシートが出て、ブロックを中央に引き寄せる事ができ、つまり、ブロック位置の調整ができる様になってます。だから、本当につめて上る時は、ブロックを中央側に寄せる事ができるし、上る角度によって調整できる。

メインシートはブームの最後端から取り、それをティラーの前にリードし、ダブルのブロックとカムクリートにリードされてます。ダブルですから、二本同時に引くと早く操作でき、一本だけ引くと力が軽減されます。この辺りは他の取り方もある様です。

コクピットの背もたれは、他のデイセーラーにも採用されていたりしますが、背当たりが楽でしょうね。ウィンチは、人が座っているすぐ前の両サイドに設置されてますから、容易に手が届く。

インテリアはワンルーム、ミニキッチンと、狭いが個室のトイレがあり、決して、広くは無いですが、暖かい感じがします。もちろん、彼らは、このヨットでデイセーリング、家族での沿岸クルージング、時にレースという事の様です。


かなりのハイパフォーマンスですが、レーサーっぽさも無く、形的には、ちょっとクラシックな感じもするし、落ち着いた感じがします。デッキ上に木材は見られませんので、メインテナンス的には軽減されますが、個人的には、トウレールとか、また、ちょっとチーク材をコクピット周りにトリミングしたりして、クラシック感を演出しても良いのかな〜?とも思わないでもありません。

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