第七十話 速いのはレーサーか?


      

レーサーは速いというのが一般的なイメージだが、でも、これからは少し様相が違ってくるかもしれない。何故なら、レーサーはレーティングなるものがあって、レーティング上有利になるなら、敢えてスピードを落としてでも、レーティングを取る事もある。でも、デイセーラーにはそういう縛りを考慮する必要が無い。スピードで言うならどっちが速いのか?

デイセーラーもパフォーマンスをどんどん上げて来る。特に大型化したデイセーラーのパフォーマンス狙いのヨットはそういう傾向があります。そういう速いヨットにシングルかダブルハンドでもOKという考え方。写真のコクピットを見ても、大勢のクルーが動き回れるスペースは造っていない。前側はゲスト用の寛ぎのスペース。パフォーマンスはレーティングに関係無いだけに、デザイナーは自由にできる。もはやレーサークルーザーレベルなんて目じゃ無いし、既に凌駕していますし、一部はレーサーのスピードに達している。そして、さらに上行くかもしれません。

そういう時代がもう来ている。もちろん、実際のレースだったら、いろんな要素もあり、当然レーティングが使われますから単純では無いんですが、でも、ひとりかふたりで、レーサーのパフォーマンスを味わえる時代になってきた。ひょっとすると、近い将来、レースでのレーティング換算ではレーサーかもしれないが、ファーストホームはデイセーラーが取る事になるかもしれませんね。それはそれで気持ちが良い。面白い時代がやってくるかもしれません。

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