第二十話 旅はボートで


      

 

ヨットで旅をするというのは粋ですね。ゆったりと、時間をかけてヨットならではの旅を満喫する。しかし、現実的に言えば、何日も陸に寄らない外洋の旅以外の殆どはエンジンで走ります。それで、ヨットの旅というものに特別の想いが無い限りは、パワーボートの方が効率的です。手っ取り早く、気軽に旅ができる。

私はセーリング推進者ですが、もし、旅をするなら、パワーボートの方が良い。それも高速で無くて、巡行20ノット前後ぐらいなら、ボートでもゆったりの方です。いざという時には、もうちょっと出るくらい。これなら、まず潮待ちが無い。目的地に早く着くから、より現地での時間を取れる。ヨットの情緒以外は、メリットが多いです。

ご縁があって、アメリカ東海岸のトラディショナルデザインのボート、バックコーブヨット社とその姉妹会社のセーバーヨット社のボートを取り扱う事になりました。バックコーブは30フィートから41フィート迄。シングルエンジンとし、スラスターを標準とする。一方、セーバー社は38フィートから66フィートまでを建造する。こちらはツウィンエンジン、それぞれの特徴は追々書いていきますが、品質の高いボートです。

ビデオのボートはバックコーブ32.もちろん最新のバキュームインフュージョン工法で、エンジンは370HPの1基掛け、2基掛けより当然静かです。そして、バウスラスターが標準設定ですから、離着岸もし易い。こういう考え方もあるんですね。クルージングスピードは20ノット前後、いざという時は25ノット近くまで出る。巡行なら約250〜260マイル(燃料タンク90%で)、旅において、航続距離は重要です。

と言う事で、セーリングはデイセーラー、旅はボートでという事で如何でしょう?下のビデオはセーバーヨット社のセーバー45サロンエキスプレスです。435HPの2基掛け、巡行27ノット、もちろんジョイスティックコントロールが付いてます。これ、横歩きできるボートです。航続距離は巡行スピードで、約320マイルというデータが出ています。船型はもちろん、どちらもディープVで波に強い。


ヨットはセーリングから得られる様々なフィーリングや知的な刺激を楽しみ、ボートは便利さと時間あたりの行動範囲の広さを持って、現地で楽しむ。それをどう選ぶかは、各人の感性次第という事になります。

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