第五十三話 宣言をする


      

良いセーリングだったと言えるのは年間を通じて、そう多くは無いかもしれない。また、良い旅だったと言えるのも年間を通じて、そう多くは無いかもしれない。でも、やり続ければ多くの味わいが積み重なり、トータルすると、それが自分だけの貴重な味わいだったと思える。5年後、10年後、どうなっているだろう?だから、今、宣言しよう・・・・・

大胆に、大袈裟に言えば、セーリングを極めよう。旅を極めよう。レースを極めよう。何でも良いんだが、何かを極めようとする意識が面白さを創造する原動力になると思います。だから、そう宣言してみるというのはどうだろう。別にそれしかしないというわけじゃ無く、自分のヨットライフの基本となる立ち位置を設定するという事になる。少なくとも、そう意識してみる事は意味があるのでは無かろうか?

どうせヨットやるなら、5年後、10年後に、ある確かな味わいを獲得したいと思います。それがどういう味わいになるかはやってみないと解らないが、少なくとも、誰もが味わえる経験では無いし、自分独自のヨットライフを創造してきた事には違いない。時間は勝手に過ぎるわけですが、その時間の重みは違う。

だから宣言しましょう。セーリングを極めるぞ、クルージングを極めるぞ、レースを、ピクニックを、ヨットにおける料理を、別荘としての使い方を、メインテナンスを、ファミリーセーリングを、シングルを、ダブルハンドを、何でも良いから自分のベースとなるスタイルを宣言する。何の為にヨットやるのか?もちろん、途中で違うと感じたら、また新しい宣言をしたら良いと思います。

セーリングを宣言したら、舵操作からセールトリミング、風、波、バランス、音、振動、力加減、等々、いろんな事が身に染みて来る。旅を宣言したら、航海術、時化た時の対処の仕方、行った先での対応の仕方、身体が感じるフィーリング、いろんなノウハウが経験から培われる。どの経験ひとつとっても、やらなきゃ味わえない。味わっても、宣言する事でもっと意識が深まり、より多くを味わえると思います。だから宣言しましょう、○○〇を極めるぞ!忘れそうになったら、また宣言します。前と違っても良い。今日だけでも良い。



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