第五十七話 動機を創る


      

一般的になんでしょうが、でかいヨットやボート程動く回数は少ない様です。マリーナを眺めても、動いてるのを殆ど見た事が無いし、聞きますと年に1回程度とか。それはオーナーの自由ですから、どうこう言うつもりもありません。一方、小型の方はと言いますと、これは気軽ですから、回数は必然的に多くなる。もし、小型で動かないとなると、もはや救いようがないかな〜?

回数が多くなると、使い方も毎回同じじゃつまらなくなりますから、時と場合に応じて、いろいろな使い方を工夫した方が良いかとは思います。最も気軽なのがピクニック、でも、毎回それでは面白さに欠けて来るので、お薦めはセーリングを本気でやる事です。それが前にも書きましたセーリングを極める宣言です。ヨットは遊びですが、本当の面白さは本気にやって進化していく処にある。長年やり続けるには、絶対それが必要だと思います。

さて、クルージングの方も同様で、ピクニックやって、時には旅をやる。こっちはヨットの旅を極める宣言です。いろんな場所に旅をすれば、それぞれに状況が違う。途中の潮の流れがきつい処もあります。旅には、セーリングとは異なる旅のノウハウが必要になります。

いずれにしろ、面白さを創造していくには、何らかの探求心があって、ノウハウの蓄積をやって、自分が成長し、より多くを知る事が面白さに欠かせない。面白いからこそ何度も乗りたくなります。だから、セーリングか旅かのテーマは違えど、何かひとつ主軸を持つ事が必須ではないでしょうか?これからの5年、10年、もっと、そういう長い期間を充実させる方法はこれしか無い。また、これがあるからこそ、ピクニックも活きてくると思います。面白さを感じない限り何度も乗ろうという気にはなりませんね。

年に一回で満足ならそれでも構わない。年に一回ならピクニックだけでも良い。でも、もし、それ以上に何かを求めるなら、その何かを極める宣言を自分にした方が良いかと思います。セーリングにしたって、旅にしたって終わりの無い探求ですが、やればその分何かが返って来る。それを味わいたいからやるんだと思います。そんな事は誰でも解っている。でも、ちゃんと意識している人は多くは無いかもしれません。


ただセーリングしてくるというのみならず、その時々の風の状態、その状態にどうセールを合わせていくか、これには無限の組み合わせがあるでしょう。それに、レースじゃ無いから、スピードだけが全てでは無く、ヨットがどう動くか、何を感じるか、そんな処にも意識が及べば、これまた別の次元のセーリングも成り立つのではなかろうか?兎に角、回数多く乗って、いろんな状況を経験して、それらが積み重なっていけば何らかのものが出来上がる。何が出来るか?それを極める宣言です。大雑把から繊細さへ。これは自分で動機を創る事だと思います。何しろ、この遊びは誰かがもてなしてくれるわけじゃない。自分で演出して、自分で動いて、自分で面白さを創造しなければならない遊びですから。だから、人に寄って行動と面白さに大きな格差が生まれるのかもしれません。

でっかいヨットをお持ちの方も、それとは別に写真の様なヨットをお持ちになったとしたら、こっちの方が格段に面白さを感じられる様になるかもしれません。それで、でかいのは遠くへ長い旅をする時に使う。海外にはそんな方々もおられますね。何と素晴らしい贅沢!

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