第四話 スポーツ・クルージングヨット

それで、コースタルというジャンルには、皆さんがこれまでしてきたクルージングという
ものに加えて、スポーツを加えて頂きたい。これまで通りの島巡りもしますし、宴会も
良いでしょう。でも、日常のデイセーリングの時には、スポーツとして、セーリングその
ものを楽しむという提案です。セールカーブを見る、ドラフトの深さや位置を調整する。
バックステーアジャスターを使い、メインのトラックを使う。舵の感触を楽しみ、走りを
楽しむ。そういうメリハリをつけてはどうでしょうか。

こういうコースタルのヨットには、楽にシングルハンドで、とは行かないかもしれません。
もちろん、オートパイロットを使えば、それも可能、でも、セーリングを楽しむ時はできる
だけオートパイロットを使わずに、舵を握って、そのコントロールをも楽しみたいものです。
メインセールはメインのトラックがコクピットにあれば、舵を持ったままコントロールでき
ます。バックステーアジャスターにも手が届く、後は、ジブシートに容易に手が届けば、
シングルでもかなりやれます。もし、手が届かないなら、この時はオートパイロットを使う
か、クルーを一人入れるか、セルフタッキングジブも良いアイデアだと思います。舵が
ティラー式なら、タックもやり易いですね。アウトホールやハリヤード、バング等ををいじ
る時は、どうしても、舵から手を離さなければなりませんが、こういう時はオーパイかクル
ーを使う。

単にクルージングだけだと飽きてしまう。ちょっとロングになるとエンジンが殆ど、こういう
スタイルではヨットそのものに飽きてくる。何らエキサイティングな事が無くなります。そこ
ショートコースのデイセーリングには、スポーツを楽しむと、俄然ヨットは生き帰ってくる。
その為には、是非、メインセールのトラックはコクピットに、バックステーアジャスターも
設置して、その他、いろんな工夫をしてみましょう。どうやったら、できるだけ舵を持った
まま、いろんなコントロールができるのか。こういう工夫も面白いものです。そして、そう
やって、快走セーリングが楽しめたら、これはもう最高ですよ。一日の内の行きだけでも
良い。とにかく、セーリングを楽しむ事をお奨めします。こういうメリハリが、宴会をも盛り
上げてくれますし、のんびクルージングの時も一層楽しめるようになります。メインテナン
スさえも、自分で関わりたくなってくる。何故なら、自分のヨットをもっと知りたくなるし、も
っと良いコンディションにしておきたくなる。そうすると、全てが自分のものになる。

ラットが良いか、ティラーが良いか、艤装はどんなが良いか、そういう事が自然に解って
くる。自分のスタイルができてきます。ヨットをトータルで楽しむ事ができる。ヨットが解って
いるので、誰が客でも、素人でも、いかようにもヨットを楽しんでもらえる。いかがでしょう?

次へ       戻る