第九十六話 ゲーム

ヨットはゲームなんですね。ゲームは面白くなくてはいけませんね。ゲームは自分でやって
遊ぶものです。ただ、テレビゲームとは異なる実際のゲームですから、臨場感は最高です
が、その分苦労もある。でも、それをしないと遊べないんです。

そのゲームのルールは自然に合わせるという事ですが、まあ、そこそこでもゲームオーバー
にはならない寛容のあるルールです。幅の広いルールですから、誰でも遊べるという事にな
ります。ルールが10段階あるとしたら、レベル1でも遊べるし、レベル10でも遊べる。そのル
ールは全ての段階で同じルール。ただ、より緻密さが違う。でも、この緻密さはルールでは無く
合わせる程度問題ですから、どのレベルまで進むかは自分次第。それで帰ってくる物が違って
くる。ただそれだけです。

こう思えば、自分がどんな風にこのゲームを楽しみたいかが解ってきます。どこまでしなければ
ならない、そうしないとゲームオーバーになるという事は無い。勝つか、負けるかのゲームでは
無い。ただ、全てはあなたまかせ。そういう事になります。極めて自主性を重んじたゲームです
ね。自主性ですから、楽しめるかどうかは自分次第です。実に大人のゲームではありませんか。
ああしろ、こうしろなんて誰も言いません。全ては自分次第なのですから。

それで私は業者ですから、オーナーが楽しむ為にどうしたら良いかを考えます。どんなサポート
ができるか、そこで、いろいろ観察し、考えた結果が、スポーツクルージングの推進です。どんな
ヨットであろうが、セーリングを楽しむ事が基本と考えました。全ての方々が賛同していただける
とは思っていません。ただ、一部の方々でも賛同して頂いて、実際にそういう姿勢で走って、もし
面白いと感じられたら、それは広がっていくと思っています。ただ、今は陸上生活の一般的な考え方
が優勢で、その延長上にヨットを持ってこようとしています。快適さと便利さです。でも、このゲーム
はちょっと種類が違う。自分から動かないと何も得られないゲームです。それがセーリングです。
ただのクルージングとは違います。スポーツセーリングです。

少なくとも、私は体験上、そう思った。それでそういう主張を続けてきました。ようやく、何人かの
方々が賛同していただきました。今まで、たまにヨットに行ってビール飲む程度だった方が、セール
を作り替え、もっと走ってみようと思われた。

ビールを飲むゲームをしても良いし、セーリングゲームをしても良い。でも、やはり、ビールはいつでも
飲めるが、セーリングはヨットでなくてはならない。その後でのビールは最高です。それに良い走りを
してきた後は最高です。こう考えるとヨットは自由自在に扱えるぐらいのサイズの方が良いかもしれま
せん。

セーリングにはTVゲームのように決まったプログラムは無いので、自分で決める事ができる。どんな
プログラムを作りますか?それが良し悪しを決める事になります。ヨットが楽しいのも、退屈なのも、
全て自分の責任です。実に、成熟した大人のゲームですね。自分スタイルで結構だと思います。
セーリングを楽しみたいという方々をサポートしていきたいと思います。

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