第二十九話 リニューアル

ある方からリニューアルにつて質問を受けました。業者を呼んできてやらせるという方法
もありますが、その前に自分でできる事は自分でした方が良いです。その方が自分の
ヨットについて良く知る事になりますので、今後、なんらかの不具合などが起こった時、
どこを見れば良いかがピンと来る。

まずは、徹底的に掃除する事です。地味な作業ですが、大事です。私物もごみも全部出
して、すみからすみまできれいに掃除をします。汚れや油、エンジンも含めて、できるだけ
きれいに掃除して下さい。

掃除が済んだら、各部を見ていきます。スルハルバルブは開閉できるか?固まって、動か
なくなっているものもあります。動かないのを無理やりレバーを動かすと折れる危険性も
あるので、無理はいけません。もしスルハルを交換しなkればならないなら、これは業者に
頼んだ方が良いと思います。水線以下は重要なポイントです。設置されている全てを点検
します。ちゃんと作動するかどうか、作動しないものは不要な物か、或いは必要なら、修理
か交換、これも壊れてもともと、自分でばらしてみるのも手です。駄目なら、業者に頼んで
も遅くは無い。

電気スイッチのパネルに並んだスイッチも、全て入れて、全部動くか、照明とかも全部点灯
するか、しない場合は電球交換で済むか、こういうのはちょっと電気の知識が必要になりま
す。自分でテスターでできる人は是非やってみてください。こうやって、問題点を全て書き出
し、それらをどうするかを決める。

ソファーのクッションなんかは、カバーを張りかえれば新品同然です。ちょっと複雑な形状を
したクッションなんかは、自動車の内装張替え業をやっているところを良く使います。

外装ですが、チーク部はサンディングで下地をきれいにする事が大切です。早く塗装したく
なるのですが、下地が最も大切ですから、きれいにして、ニスのクリヤーを塗るか、チークオ
イルとか、塗装しなくてもOKです。業者は良く厚みをつける為にサンディングシーラーを使い
ます。でも、バタバタ仕上げなくて良いですから、ニスだけでも良いと思います。最初に2,3
回塗ったら、チークに染み込みますので、一旦そこで中止、乾いたら、軽くサンディングして
あとはできるだけ多く回数塗ります。但し、乾いた後はサンディングしてから塗る事。
ちなみに、15,6回ぐらい塗ると厚みもついてきて、後は年に1回ぐらい、軽くサンディングし
て塗装を繰り返すと、長持ちです。ニスのどこかに割れが出てくるまでほったらかすと、再び
全部はがないときれいにはなりませんので、1年ぐらいたったら、きれいなうちにやる事です。
結構面倒と思うなら、ニスにはしない方が良いと思います。

さて、重要なのが、セールです。できれば、セールもきれいにしたいものです。それからハリヤ
ードやシート類も新調します良いですね。ただ、ロープ類もトータルで交換するとなると、場合
によっては200mぐらいになります。驚かれるかもしれませんが、計算してみて下さい。ですか
ら結構な金額になりますので、そこら辺は前もって計算して、予算に入るなら、お奨めします。
もちろん、切れかかってるような物は交換しなければなりません。

ここまで来ると、もうヨットは見違えるほどきれいになっています。後は、機器類をどうするかで
すね。自分でできる事はするし、できない事は相談して、聞いて、それでも無理なら業者にやっ
てもらう。自分で、どこがどう悪いという事がわかったうえで、やってもらうのが良いです。

電気やエンジンなどはそれなりの知識と道具が必要ですが、そのほかはそうでもありません。
最低限の工具は必要でしょうが、まずは自分で良く観察して、どこがどうなっているか考えて
作業を進める事をお奨めします。ヨットは良く見ると、案外シンプルな部分が多く、考えれば解る
事が多いですから、自分でやれる範囲は多いと思います。とにかく、床板、ソファーの下など
全部はがして、くまなく見る事です。それは掃除をする事でできます。ここからスタート。

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