第十二話 アレリオン38

特にアメリカではクラシックな雰囲気を持つデイセーラーが次々に進水しています。
その先駆けになったのがアレリオン28でした。アメリカではこういう特徴的なヨット
にもかかわらず200艇以上が進水、そういう状況の中で、いろんな造船所、デザ
イナー達はこの市場に参入、それぞれが成功を収め、この市場において、コンセ
プトを同じにしながら、よりサイズの大きなヨットを楽にこなせる艤装を施しながら
拡大してきています。

さて、ここで、この先駆けとなったアレリオンにもう一艇、大きなサイズが登場しまし
た。それがアレリオン38です。


船体はアレリオン28にそっくりですね。それのビッグサイズモデルです。でも、ただ
でかくなっただけでは無い。ジブはもちろんセルフタッキングのファーリング、これに
ジブブームが設置。これはアレリオン28と同じです。小さなジブに対して、ハイロー
チを持ったでかいメインセール、それを可能にするのがバックステーによって邪魔
されない為にカーボンマストを採用し、バックステーを撤去、セールのホイストには
電動ウィンチ、こういうスタイルです。クラシックなスタイルながら、ハイテクヨットなの
です。つまり、シングルを可能にし、簡単操作を実現していく。これが今のデイセー
ラーの動きです。それで大きなヨットも楽々動かせる。

ジブセールはでかいセールにすると、上りには良いがタックが大変になるのと、ダウ
ンウィンドでは使えません。それでセルフタッキングにした。それだけではただ小さく
なただけで、タッキングはオートマチックだが、ダウンウィンドでは同じ。それで、ジブ
ブームを設置してダウンウィンドにも効率良くセールが展開できるようにしています。
しかしながら、微風の時はやはりもっとセールエリアがほしくなる。それで、マストを
カーボン製にして、スプレッダーを長く取り、バックステーを無くして、バックステーの
制限無しにメインセールのローチを大きく取った。これで、あらゆる方角にも面白い
帆走が可能になる。もちろん、ジェネカーを使っても良いが、それなしでも、簡単に
ダウンウィンドが楽しめるのです。

クラシックの美しさ、それにモダンな走り、イージーセーリング、シングルハンド、デイ
セーリング、いかがでしょうか、実に面白いヨットです。

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