第十七話 楽しむという事

誰でも、こうしたら楽しいだろうなという考えがあります。それに固執しすぎると、
楽しいという範囲が狭くなる。自分の考えた楽しいと思う事以外にも、やってみる
と面白かったという発見もたくさんあるでしょう。他の事も受け入れる余裕が必要
になるようです。

セーリング、セーリングと言っていますが、それ以外にもヨットの楽しい面もたくさ
んあるんだろうと思います。ヨットで料理なんかほとんどしない。でも、一度、ちゃん
とやってみたら、案外面白いかもしれない。ヨットに泊まらないと言っても、一度やっ
てみると案外楽しいかもしれない。いろんな使い方を考えて、いろんな事をやって
みる。それが楽しむ事を広げる事になるのかもしれません。セーリングだけにヨット
を絞ってしまう必要も無いし、クルージングだけに限定する事も無い。

あるオーナーは天気が良くて、風も良い時はセーリングを楽しみ、雨が降ったら、
料理をして、キャビンで楽しむ。好きな音楽流して、料理そのものを楽しむ。その時
その時にできる事を何でも楽しむ。今度はこういうセーリングをしようとも考えるし、
今度は、こういう料理を作ってみようとも考える。する事が面倒だと考えると体が動
かなくなるので、考えるより先に思いついた事に動いてしまう方が良いかもしれませ
ん。頭で考えた理想を追求するのも良いでしょうが、今できる事を楽しんでしまう事
を日常に行う事で、夢も実現するのかもしれません。

遠くにいける時は遠くに行く。家族が来るなら家族で楽しむ。一人なら一人で楽しむ
ゲストが居るならゲストをもてなす。雨が降ったら、本でも読む。時化て出れなかった
ら、エンジンでも磨く。こうなければならない事は何も無い。しなければならない事も
何も無い。今できる事をする、楽しむのが最も気楽で最も楽しめるのかもしれません

今日はセーリング、12月だというのに穏やかな日でした。風も無く、セーリングとして
は走るわけでは無かった。でも、それなりに穏やかな海を楽しんだ。そういう日もある
レースに勝つ事だけを目標にしても良いし、ロングクルージングに絞るのも良い。
でも、ヨットも海もいろんな楽しみ方がるのでしょう。いろいろ試してみると、新しい発見
があるかもしれない。風は無くても、陸から離れるだけで、意外と日常から簡単に気持ち
も離れ、癒しにもなる。速いセーリングはエキサイティングでもある。ヨットで料理すると
手軽なキャンプ気分にもなる。ヨットに来るだけで、日常の煩わしさから離れる事ができる
ヨットの中で楽器の練習をしている人が居る。誰にも邪魔されないで昼寝したり、本読ん
だり、酒飲んでひっくり返ったり。どれかひとつでは無く、全部やってみると良いかもしれ
ません。できる事をやってみるのが良いかもしれません。

そうすると、ヨットは日常から離れた世界を簡単に提供してくれる道具になる。面白いも
穏やかも、全部味わえるが、全て日常から離れた所にあるのが良い。レースだ、セーリン
グだ、クルージングだと言ってるうちは、まだまだなのかもしれません。非日常性を全部
楽しんでしまうのが、最も楽しむ秘訣かもしれませんね。そうすると、ヨットを持ているだけ
で、想像して楽しむというやり方もあるでしょう。でも、体験にまさる感情は無いと思います。

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