第二十八話 海域を学ぶ

デイセーリングするにしても、できれば自分の海域について、誰よりも詳しくなる
というのも面白いと思います。浅瀬がどこにあるとか言う事はもちろん、満潮、干
潮の影響によって潮がどっちの方角に流れているか、どの程度の潮流があるの
か、風の影響もそうです。陸からの風の時、海側から風いてくる時、島があると、
そこで風が曲げられたり、ブランケットになったり、そういう海域を誰よりも詳しく
なると、それはそれで面白い事になる。その為には数多くセーリングしてみる必要
がありますが、そういう事を頭に入れて走ると、それはひとつのテーマにもなる。

そういう様々な条件の中で、今度はセーリングとの組み合わせが出てきますので、
それは無限の組み合わせと言っても良いかもしれません。それらを意識しながら
走るのとそうでないのとでは、1シーズン乗れば大きな違いとなって表れると思い
ます。ただ、感だけで走るより、この際機械を使えば、より明確にそういう事が解り
ますので、記憶にも残りやすいと思います。そういう意味でも、風向風速計やスピー
ド計、デプスサウンダーにGPSなんかは非常に役に立つと思います。ですから、クル
ージングの方々にもお奨めしています。

実際、こういう機器類を見ながら走りますと、デジタル数値で出ますから、これが一種
の目安にもなれば、励みにもなると思います。また、その後の感を養う事にもなるの
ではないでしょうか。

こういう意識を持ちますと、自分のヨットが良く解ってくると思います。そうすると、どん
なセール展開が良いかも解ってくる。と言っても、かなりの期間が必要にはなるでしょ
うから、その長い長い期間で、少しづつ解ってくる。それは上達を意味します。解る
という事が面白い事に繋がってきます。

レースされる方々以外はあまりこういう計器は持っておられません。せいぜい、GPS
とデプスぐらいでしょうか。セーリング自体にあまり感心が無かったかもしれませんが、
こういう計器で遊ぶというのも面白い演出になると思います。海域が解って、自分のヨッ
トが解って、そうすると鬼に金棒、良いセーリングがもっと近付いてくる。

次へ     目次へ