第三十七話 デイセーリングを演出するB

メインセールはそれで良いのですが、ジェノアはそうは行きません。何故ならブームが
無いからです。のぼりは良いのですが、角度を落としてセールを開いていくと、セール
が浮き上がる。ブームも無ければ、バングも無いので、アウトホールを引く事もでき
無いし、セールをしたに下げて、リーチにテンションも加えられない。ですから、メイン
のようにコントロールができません。これがジェノアはダウンウィンドには使えないとい
う理由です。セールを開いたまま、リーチにテンションを加えたり、アウトホールを引い
たりしたいのですが、それができない。

これは余談ですが、前にも紹介しましたジブブームがこれを解決します。但し、これは
95%程度のセールしか使えませんので、既に大きなメインセールを持っているフラク
ショナルのヨットにはセールエリアの犠牲は少しで済むかもしれません。トップリグで
メインより大きなジェノア、ブーム長さ(E)よりJの方が長い場合、これを95%にする
とセールエリアが激減して物足りなく感じるかもしれません。それはさておき、もし、
シングルで、ジェネカーなど使えないという方には、トータルで考える良いかもしれませ
ん。何しろ、ダウンウィンドではこれまでジェノアはどうしようも無かったのが、ジブブーム
のお陰で、ダウンウィンドでも効率よく走れるようになるからです。こうなると、ジェネカー
を使わないヨットより速く走れます。おまけにセルフタッキングですから、シングルには
簡単タッキングができる。会うとホールが引けて、ブームも上に上がらず、自在に角度
が調整できます。これはとても良いアイデアだと思いますね。ただ、日本ではセルフタッ
キングがどうも流行らないので、使うところがありませんが、まだまだこれからでしょう。

それで、ダウンウィンドにはジェネカーを使います。長い袋に入ったジェネカーを袋のまま
上げて、それから下から引いてセールを展開する。これで随分楽になりました。でも、
シングルでやるならこれもちょっとしんどい。そこで出たのがファーリングジェネカーです。
コクピットからファーリングができますので、マリーナ出航前に上げて、そのままクローズ
走って、ダウンウィンドになったら、ジェノアを巻いて、今度はジェナカーを展開する。
そういう事ができるようになりました。これで、退屈で、暑くて、エンジンかけていた場面
がエキサイトになります。ダウンウィンドでジェネカー展開できると面白いです。それで
ジャイブに自信が無かったら、一旦そのまま巻いてしまいましょう。そしてメインをかわして
ジャイブ、新しいタックでまたジェネカーを開けば良い。こうやって最後はジェネカーを
ファーリングして、そのまま帰る事ができる。で、マリーナに着いたら下ろせば良いのです。
実に便利です。

セールの扱いに慣れたら、ある程度で良いんです。次は、タックとジャイブをできるだけ
スムースにやる事を意識します。もちろん、今までののと同時で良いのですが、文章で
書きますとごちゃ混ぜになりますので。

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