第七十八話 本気モード
| ヨットを醍醐味を本当に味わいたいなら、気持ちを本気モードにシフトして、本気で セーリングする他はありません。キャリアも関係無い、老若男女も関係ありません。 本気で味わいたいなら本気で乗る。本気でセーリングするなら、初心者でも良い。 要は腕の差では無く、本気の差です。 何も体育会系のど根性で大時化の中を走るわけでもありません。普通の海で普通 に乗れば良いだけです。でも、本気です。本気になると、敏感な感性が生まれます から、ヨットを楽しむうえにも、熟達するうえにおいても、大事な事です。ヨットは理屈 で覚える部分と、実際のセーリングから体験して感じて覚えるふたつがあります。 この感じる部分が無いとヨットはたいして面白くは無い。いや、面白いけれど、時々 というかたまにだけです。それより誰と乗るかの方が気になってくる。気持ちはヨット では無く、相手側にいく。これでは、本気ヨットでは無いので、あのセーリングの醍 醐味は永遠に味わえない。 本気で乗り続けると、ヨットの微妙な違いさえ感じられるようになる。ちょっとした動き さえ、いつもと違うとかいう事がわかるようになる。初心者でもすぐに上達する。本気 で乗ると、ただ漫然とコクピットにじっと座ってばかりはおれませんので、より良い 走りを目指すようになる。いろんな試行錯誤で、体験から会得していく。それらは本物 です。たった２時間で良いんです。本気モードで走ってみませんか。舵を持った手に 感じられる波のあたりぐあいやセールが受ける風の具合、船体の動き、それらが、 どんどん感じられるようになります。集中してます。夢中です。そのうちしびれるような セーリングに出会えます。 自分が本気モードになったら、ヨットの事が良く解るようになります。そうなったら、ヨット にも本気になってもらわなければ、しっくり来ない。本気ヨットがほしくなる。今時、本気 ヨットとは思えないのが多い。本気モードで、本気ヨットに乗る。 ヨットには優雅にゆったりと乗るという方もおられるでしょうが、本気モードで乗リ続ける と、ヨットが本当に自分のものになる。疲れるかと言いますと、これがその反対、気分 は最高になれる。エネルギーが補給されるようなものです。ああ〜っ、良い走りだった と思う時がくる。そんな時は、疲れません。その気分がずっと続く。 どうせヨットやるからは、本気でセーリングしましょう。子供のように夢中になってみませ か？子供の頃は何でも楽しかった。あれこれ考えずに夢中で遊んだからです。それが 子供にエネルギーを与える。それと同じ事をしようという事です。あの頃、どんなに自分 がパワフルだったか、夢中に遊ぶ事でそうであった。それが分別ができて、無茶だとか 危険だとか先に来て、何にも夢中になれなくなた。同時に面白さが消えていった。 危険な事をするわけではありません。ただ、黙ってセーリングしてみるだけで、自然に 本気モードが出てくる。そうしたら、流れに従うだけで、向こうからやてくる事に対応し ていくだけで、自然に面白くなる。快楽の面白さでは無く、夢中の面白さです。 但し、必死になってはいけません。本気と言っても、頑張ってはいけません。ただ、黙っ て乗れば、それで良い。あれこれ考えずに、黙って乗れば、自然に集中してくる。後は 自分のレベルで、来るものに対応していくだけでいい。初心者が真っ直ぐヨットを走らせ る為に舵に神経を集中する。それだけでも十分です。そして徐々にステップアップしてい きます。 |