第十二話 イージーライフ

ビッグボートをいかに楽に乗るか、それにクルーも居なくなったし、年齢も重ねてきたら、
そう考えるのは自然の流れ、さらにその流れは小さなサイズにも及んできました。
電動ウィンドラスにジブやメインのファーリングシステム、最近では30フィートぐらいでも
こういう設備をしているのがあります。そして、リューマー社から電動のウィンチ、世界最小
だそうですが、30フィート艇ぐらいに使えるウィンチを作ったそうです。これで、ますます
楽々セーリングが可能ですね。

パワフルなエンジンにセルフタッキングのファーリングジブに、ファーリングメイン、おまけに
電動ウィンチとくれば、もうこれは楽勝でしょう。コクピットでハッスルなんて必要無い。楽〜
に帆走が楽しめる。そういう時代になっていくんでしょうね。そして、ビッグボートなんかは
ウィンチが電動では済まず、ファーラー自体が電動とか油圧でワンタッチでセールの展開
からダウンまでができるようになっていく。昔に比べたら、何と楽な事でしょう。これがどうこう
というより、これが流れなのかもしれません。

考えてみたら、我々の生活でも同じで、今や普通に使う電化製品、携帯電話、車もそうですが
みんな我々が楽になるようにできています。そして、今やそれなしでは生活は考えられなくなっ
ています。当たり前の事のように使っています。

ヨットも同じように簡単セーリングの時代になる。もうすでになってきていますが、環境はそんな
風にどんどん便利になってきていますので、後は我々の気持ちですね。どんなに便利になっても、
セーリングという感覚だけは、実際走ってみないとわかりませんから、それには気持ちがそういう
気にならないと、便利だけでは面白く無いです。別にこういう便利に逆らう必要も無いので、採用
したい人はどんどん採用して、その分気楽さが湧き出てくるならOKではないでしょうか。

こんなに気楽な便利さがあるんですから、気持ちも楽にして、ちょいとセーリングしてくる。そんな
風にヨットに付き合ってはいかがでしょうか。大海を渡るというすごい事をするのも良いですが、
そんな事しなくても、自転車に乗るが如くちょいとサイクリングならぬセーリングを楽しめる。そんな
気持ちが、もっともっと広がってほしいと思います。軟弱ヨットマン大いに結構です。私もそのひとり
気軽になデイセーリングはみんなのもの、大海を渡るのはすごい人がすれば良い。でも、軟弱セー
ラーでも、ヨットの醍醐味が充分味わえる。セーリングの醍醐味なら、デイセーリングの方が面白い
と思います。

自転車だっていろいろあります。お買い物自転車、マウンテンバイクに、ロードレーサー、高いのに
なるとウン百万なんてのもある。ヨットも同じ、お買い物用はありませんが、いろいろある。そのヨット
のどこを最も楽しみたいかによって、選択も変わる。でも、ヨットはセーリングするのがヨットならでは
の能力だという事をお忘れなく。せっかくのイージーライフが可能になってきていますから、レージー
ライフにはならないように、お気をつけ下さい。

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