第三十八話 二極化?

当社の問い合わせの中での変化でしかありませんが、シングルハンドを考えている方々が結構多く、それは大歓迎です。その一方で、35フィート前後から40フィート前後のちょっと大きめのクラスをご希望の方々も増えてきています。これまでは30フィート全盛だったのが、あまりそういう声を聞かなくなりました。30フィートモデルが少ないといのもあるかもしれませんが。

シングルハンドの方々でも、昔なら30フィートぐらいまでは視野に入っていたような気がしますし、そういう声も多かったと思います。でも、実際、30フィートをシングルで気軽に乗れるという方ばかりでは無く、ちょっと無理している。できるけれど気軽では無い。それで、この際、割り切ってサイズを下げる。そうしたら、シングルでも、ゲストが来ても、何と気楽な事か、それに遠くへ行く事もないし、行ってもせいぜい限定沿海の範囲。

30フィートという丁度良い、手頃なサイズは、帯に短したすきに長し。という様相になりつつあるような気がします。家族4,5人で乗るなら丁度良い。奥さんもちょっと慣れて手伝ってくれれば、気軽に出せる。でも、家族は全くと言って良いほどヨットには来なくなってしまった。男二人で乗るなら、それでもOK、でも、男二人というのは、いつも相棒が来るとは限らないケースがあって、やっぱりシングルでも出せるようにしておきたい。そうなってくると、30フィートがちょっと大きく感じてしまう。

男が何人も集まるなら、予算が許す限り30フィートよりもっとでかいヨットが良い。こういう考え方なのかなと想像します。ファミリークルージングを想定したものの、実際の運営になると変化してきて
シングルを中心とした乗り方と何人も集まる乗り方に分かれてきているのかなと思います。

35フィートから40フィートというのは、結構種類があるので、選択の幅は広いのですが、25フィートから27とか28というのは、あまり選択の幅が無い。これからは、この両方の市場に、充実した選択幅ができるようになると良いなと思います。

これから団塊の世代の方々がヨットを始めようとすると、やはり、このサイズあたりが適当ではないかと思いますし、大勢の定着クルーでもかかえない限り、ずっとこのサイズでOKじゃないかと思います。かつての30フィートへのあこがれは、サイズをダウンするか、アップするか、という変化をし始めた。それは使い方から来るものであって、30フィートあれば、何人乗れるとか、バースとか、装備とか、そちらか来るものでは無い。それだけに、実質的変化ではないかと思うのです。良い変化だと思うのです。

もちろん、30フィートが使えないという話ではありません。どういう使い方をするか、というところから始まる。奥さんも好きでしょっちゅう乗るならOKだし、シングルでも気軽に出せるという人はOKだし、いつも相棒と一緒なら良い。実際、定員という見方からすると、10人でも12人でも乗れるが実際こんなに乗ったら、居る場所が無い。30フィートでも、せいぜい4,5人が限界ではないか。常時4,5人で、たまにもっとなら、サイズが大きくなるし、常時、一人か二人で、たまにもうちょっとなら
小さいのが良い。こういう事でしょうか。30フィートは常時2、3人、たまに4,5人ならいいのかなと思います。

使い方というと、漠然とクルージングという事になりますが、常時何人で乗るのか、そこから考える例えシングルハンドの25フィートだとしても、常時一人だが、ほんのたまに数人になる。それでも充分乗れる、ちょっと窮屈かもしれないが、たまにです。ですから、普段は何人で乗るか、シングル
を含むか、含まないか、そういう事で選択し始めた。それで考えると小さいと大きいとなり、ちょっとした極端では無いですが、二極化してきている。そんな気がします。

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