第66話 ジェネカー

非対称のスピンですが、結構流行ってきました。古いヨットの場合、従来のスピネーカー
が付いていますが、メインとジブはよれよれですが、だいたいスピンはきれい、それだけ
皆さんスピンは使ってこなかったという事でしょう。確かに、これまでは使いづらかった。
しかし、ジェネカーは良いです。

非対称でタックが固定ですから、シートを2本もう片方のクリューに繋いでおくだけ、ポール
は不要ですから、ジャイブも楽ですね。まるでジェノアのような感じでジャイブができます。
便利な物を考えてもらったものです。ありがたいです。それにジェネカーは結構登ります。
真横の風からもっと上に登りますよ。ですから、これを楽に使いこなせれば、かなり使用
範囲は広い、いつも推奨しています小さなジブと大きなメインというのとコンビネーションを
考えれば、この3枚で充分です。

ただ、真後ろの風になるとメインセールの影になってしまいますので、やや角度をつけて
走る事になる。ところが、先日、レーシングヨット専門のクルーと話をしていたのですが、ジェ
ネカーは通常タックが固定されていますが、うまくすればタック側が少し風上側に移動させる
事ができるそうです。とにかく、ジェネカーになってグンと使いやすくなりました。

さらに、ジェネカーのファーラーというのも出ています。まだ、あまりポピュラーでは無いようで
すが、一度だけそういうのに乗った事があります。その時はジェネカーを巻いたままあげてお
き、必要な時に展開しました。第一印象は、これはジェノアに近いなという事です。スピンの
セールをジェノアのように使うという感じ、でも、ドラフトは深い。これもクルージングの方には
良いアイデアだと思います。

こういう気軽な装備がどんどん出ています。良いですね。ちなみに、レーサーも最近はジェネカー
を使っているヨットが多くなりました。ただ、クルージング艇には無いバウスプリットを2mぐらい
突き出して、そこの先にタックをブロックを介してつけます。これはタックの高さを変更できるのと
バウスプリットを出す事によって、メインセールの影にできるだけならないようにする為です。スポ
ーツヨットでも採用したら良いんじゃないでしょうか。


次へ       目次へ