第八十一話 ボートショー

夏が終わると、ヨーロッパはボートショーシーズンに入ります。英国のサザンプトンは9月に終わり、10月にはイタリアのジェノバ、それから、各国でボートショーが開催されます。規模はさすがに日本とは異なり、例えば、10月のジェノアバでは、出品者は1,600、展示は2,300ぐらいあるそうです。フローティングだけで400艇とか。いやいや、すごいに尽きる。イタリアは世界第二の市場規模で、アメリカに次ぐマーケットなんですから。つまりヨーロッパでは一番という事ですね。

日本では寂しい限りですが、それでもバブル以降、各業者さんの努力で、少しづつ盛り返してきています。考えてみれば、恒例の東京と大阪のボートショー以外でも各地でフローティングショーなど開催され、結構あっちこっちで開催されています。是非、足を運んでください。もちろん、行ける方はヨーロッパやアメリカのボートショーに行かれるときっと面白いと思います。

日本でも馴染みのあるヨットなんかですと、たいていどこのボートショーにも出てきますが、日本には知られていない艇なんか、例えば北欧あたりで開催されるショーはスカンジナビアの造船所が多く出品されます。フランス、英国、ドイツ、イタリア、こういうメジャーなボートショーもあれば、ポーランドやスペイン、アイルランド、クロアチア等々でもボートショーがあり、こういうショーには他に出無い艇なんかが出品されたりしますので、面白いかもしれません。

我々業者が昔良く行ったボートショーと言えば、だいたいメジャーなショーが多いので、そこで見つけて、良いと思ったヨットなどを代理店交渉なんかするわけですから、そういう所に出品されるヨットはたいていは日本でも知られてきました。でも、ローカルの小規模ボートショーなんかですと、地元の出品が多くなりますので、まだまだ日本には紹介されてないヨットがあると思います。ただ、大量生産では無いですね。

最近はインターネットの普及で、ボートショーに行かずとも、世界中のヨットをパソコンを通して見る事ができます。でも、ボートショーは触って、肌で感じれますから、やはり違います。まあ、業界のお祭りみたいなもんですから、旅行の立ち寄り先に加えてはいかがでしょうか。一度は海外のボートショーに行かれると、きっと面白いと思います。お祭りとは言っても、造船所は真剣です。なにしろ、このショーの期間中にかなりの数の売買契約をするんですから。ですから、造船所によっては、ボートショー限定プライスなるものが出る事がありますね。

私もメジャーなショーには殆ど行きましたが、その規模の大きさ、1日目はぐるっと回って、どこに何があるかを把握して、2日目に目をつけた所に行く。ぼ〜としてたら、どこに何があったか、探すのにまた苦労します。最低2日、じっくり見たいなら、3日ぐらいは必要でしょう。それと艇のサイズについて、ちょっと錯覚してしまいます。大きなサイズが多く出品されているので、日本で見る印象より小さく感じてしまいます。ついつい、予算があるなら大きくなってしまう。

イタリアのジェノバはホールの横がすぐ海ですから、フローティングがあります。それもスーパーな奴がごろごろしてますから、日本では見れない超豪華なスーパーヨットが見れますね。目の保養にいかがでしょう。まあ、見てましたら、ショーですから、みんなピカピカに磨き上げて、どれでも素晴らしいヨットに見えてしまいます。ちなみに、各国のスケジュールはここをクリックしてください。
秋から来年の初めにかけて、世界各国で行われますから、旅行のついでに、是非、どうぞ。

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