第四十五話 どこに面白さを見出すか

いろんな楽しみ方があるのが普通です。好きなヨットも違えば、スタイルも違う。細かく言えば、全く同じという事は有り得ない。違って当たり前ならば、自分独自の楽しみ方を創像するのが、ヨット遊びを楽しむ秘訣かと思います。その為に10年も20年も乗り続ける。面白いと感じた事をやれば良い。簡単な事です。その時、頭は使わないのが秘訣です。自分のフィーリングに従うのが良い。

その為に遠くへ行きたい人は行けば良いし、近くで遊びたい人はそうすれば良い。どっちが上でも下でも無い。基準は自分が面白いと感じるかどうかです。世界一周した人が達成感で満足感を感じる。デイセーリングで自由自在にセーリングして楽しむ。どっちが偉いわけでも無い。面白いならそれで良いと思います。頭脳を使うとすぐに比較をする。頭脳を使うと面白さが失われる。頭脳は技能に使うべきであって、頭脳で評価するのは間違っている。

私はデイセーラー推進者で、世界一周には全く興味が無い。行けやしないし、行きたくも無い。世間的には何の評価も受けませんが、それで良い。まして、もし私が世界一周したとしても、面白さは感じないだろうと解っています。できもしませんが。それより、デイセーリングの緊張感とかの方が私とっては遥かに面白い。それこそ、みんなが世界一周したらいけません。皆がロング航海にでてはいけません。みんながロングが好きなわけは無いと思っています。

さて、ヨットのどこに面白さを見出すか。これがヨット乗りの永遠のテーマです。そのテーマ少しづつ変化するし、その都度、その時にすきな事をする。好きな事ができるようにする。メインテナンスが好きな人が居ます。いつも大勢で楽しく乗る人が居ます。ひとりでセーリングする人が居て、いつもヨットで酒飲んでる人が居ます。それぞれが、好きならそれで良い。ただ、好きならです。好きなら、数多くヨットに接触して、好きな方法で、好きな事をしていれば良い。

こういうのが好きだと思っているのに出来ない場合があります。大勢で楽しくクルージングに行きたいと思っているのに、クルーが集まらないとかです。ならば、クルーを集める方法を考えて、実行すれば良い。それでも集まらないなら、本当は別な何かが向いているのではないかと考えた方が健全かと思います。それで、違う事、今できる事をやってみるのが良いかと思います。人は自分が解っているようで、実際は解っていない事も多い。今できる好きな事。それがキーポイントかと思いますね。それが無ければ、少なくとも嫌じゃない事で今できる事。そこからいろいろ発展していくと思います。それは頭では解らない。感じるものかと思います。

少しでも早く、自分の好きなスタイルを見つける事。それをどんどん発展させて、それを遊ぶ。早く見つけた人の方がより早く遊ぶ事ができます。せせこましい遊びだろうが、雄大な遊びだろうが、そんな事はどうでも良いわけで、凡人の私には、世界一周なんて、そんな事は馬鹿馬鹿しいと思うぐらいでちょうど良い。それをすごいと思うぐらいは良いのですが、その人を尊敬までしてしまいますと、今度は自分のしている事が馬鹿馬鹿しく思えてくる。そんな事より、今面白いと思える事をして、楽しんだ方が良い。そのひとつとして、デイセーリングを提案しています。誰でも、好きならすぐに出来て、お手軽で、それでいて面白い。こんな良い乗り方は他にはありません。

同じデイセーリングでもいろいろあります。シングルで乗る、ダブル、大勢、ヨットのサイズも違えば、艤装の仕方も違う。乗り心地も違えば、スピードも違う。ナイトセーリングもある。早朝もサンセットセーリングもある。デイセーリングと言っても、いろいろ変化があります。バリエーションもある。
どんなであっても、それをどんどんやり続ければ、やっぱりすごいもんになりますね。でも、誰もその人を尊敬はしません。でも、面白いもんは面白い。尊敬されたいと思い始めると、面白さが失われてくる。だからやっぱり頭脳は邪魔もんですね。”Don’t think、feel!と誰かが言いました。

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