第六十七話 たかがヨット

なんだかんだ言っても、たかがヨットですから、自分の思った通り、また気楽に遊べば良いんです。
そのヨットで仕事しよう、稼ごうなんていう事は無いわけで、気に入ったヨット、それが手に入れられるなら、それで良し、それで、気楽にセーリングに出て、セーリングの何たるかを見つけ出す。奥が深いですから、何十年でもやれます。

それを失敗しない選択と考えますから、おかしくなる。失敗とは何でしょうか?家族でのクルージングを考えて大きなキャビンヨットにした。でも、大抵は最初の2,3回は家族が来たが、その後はさっぱりというケースが非常に多い。他人を見てれば良くわかる。でも、みんな同じ失敗を繰り返したがる。最初から、家族はヨットに来ても良いが、そうしょっちゅうは乗るつもりはなかったはずです。彼らだって、自分の事で忙しい。

ここでの失敗は、ヨットは自分の為なのに、家族の為と思ったところにある。家族はそんな事は解っています。変に家族思いになるより、自分の為に遊んで、活き活きして、その方が家族の為でもあると思います。大きなキャビンのせいで、お父さんが乗れなくなったら、そっちの方が家族は悲しむ。せっかく買うのだったら、お父さんが活き活きと楽しんでもらった方が良いのです。キャビンが大きくなくても、家族はちゃんとヨットに乗る事ができます。

ですから、自分が我侭にヨットを楽しむには、どんな風にしたら良いかを優先させる事です。その余りで、家族や仲間を楽しませてあげれば良い。家族や仲間はオーナーと同じレベルでヨットが好きなわけじゃない。たまにだから良いわけです。

そう思うと気楽になれますね。自分がどうやって遊びたいか、楽しむかを優先させて良いわけですから。そのうえで、でっかいのがほしければそうすれば良い。変に、誰かの為とは思わない方が良い。自分の為、家族もそうさせてくれる、そういう家族にも感謝しますね。で、年1回でも家族が乗りたい時に乗せてあげる。普段お父さんが楽しんでいないと、こういう時も難しくなります。普段が大切です。せっかく買ったのに、お父さんが楽しんでいない方が、家族は悲しいのです。

家族に感謝したら、家族におかえしをしますね。奥さんの何かを手伝うとか、家族に何かします。それで良いんだとおもいます。何も、ヨットに乗せるだけが恩返しでは無い。もちろん、家族でクルージングしたいと思い、家族も賛成なら良いんです。そういう時は家族で選ぶ事になりますね。出発点から違います。家族も乗り気でないと、ファミリークルージングを日常にする事はありえないと思います。そして、多くは、ファミリーは滅多に来ないというのが現実です。

そこで、デイセーリング、シングルハンド、をお奨めしているわけです。それなら、普段遊べる。滅多に来ない家族が来ても遊べる。そう思いますが、いかがでしょう。

自分で遊ぶならどんなヨットが良いか?ヨットはセーリング遊びが最も面白い。バーベキューや読書や別荘代わりや、いろいろあるが、セーリングが最も面白いと思います。ですから、それを主にする。簡単な事です。セーリングと言ってもいろいろあります。ひとりもあればダブルもある。いろいろです。ですから、その中からいろいろやって自分のスタイルを創り上げる。そういう遊びかと思います。そして、そうさせてくれる家族に感謝します。決して、家族の為にヨットを買うのでは無い。自分の為である事を知るべきです。そして感謝します。

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