第八十八話 ボートショーシーズン

ボートショーシーズンが始っています。世界各地でインターナショナルのボートショーが開催され、一度見に行かれた方は、その規模の大きさにびっくりでしょう。このボートショーが始りますと、造船所は大忙し、海外の場合、多くはこのシーズンに受注しますので、納期なんかがグンと延びてしまいます。順番待ちですね。造船所は常にフル稼働でなければなりません。そうじゃないとやっていけませんから、特にこの時期は重要なようです。

このボートショーには、必ずニューモデルが登場してきます。今年も相変わらず、大型キャビンのヨットが出ています。このサイズ、クラスで最大とかいううたい文句です。まあ、そこまででかくしないといけないのか?と、つい思ってしまうのは私だけでしょうか?そこはそれ、そういう需要が多いという事でしょう。バウ先端から見ますと、先端から急に膨らんでいる。そんな感じです。スターンも殆ど絞らずに幅がキープされていますから、コクピットは広いですね。

その反面、オランダから新しいデイセーラーが登場します。33フィートのヨットですが、コンセプトは全く他と同じ、どういうわけか、ドラフトが1mちょいしかない。かと言って、センターボードなんかではなさそうです。このあたりを問い合わせしていますが、何せ、返事が非常に遅いのが気になります。1回の問い合わせ後、返事が10日後ぐらいですから、これはいけません。返事が無いので、やる気無いのかなと思っているところにポンと来る。

日本でも一時沈滞していたボートショーが、皆さんのお力で、フローティングショーとして大都市圏では行われるようになりました。もっともっとお祭りとして、オーナーもオーナーで無い方々も、全く関係無い方でも、より多くの方々がヨットに接する機会がたくさんあればと思います。子供の頃に親に連れられて行ったボートショー、その時見たヨットが忘れられなくて、将来にヨットマンになるかもしれません。気の長い話ですが、ヨットに乗らない一般の方々が、ヨットを見る事、触れる事、そういう事で全体の気運が高まる。買わないにしても、遥か遠くにあったヨットが、少しでも身近に感じる人が増えれば増える程、全体の気運が一歩ヨットに近づく事になり、理解も高まると思います。
そういう意味では、ボートショーは売買の場でもありますが、お祭りの場としての役割を高めるといいような気もします。自分でやるかやらないかという事もありますが、ヨットは遊びのひとつとして、全体に気持ちだけでも広がる事は重要な事ではないかと思う次第です。

旦那がヨットやりたいと言い出した時、奥さんの反応は全く違うものになるかもしれません。ヨットというものが奥さんの心の中にあるか無いかで違う。ボートショーはそういう役目もある。と、思うのですが。ですから、買うとか買わないとか関係無く、ボートショーに遊びに行って下さい。海外へ旅行されるなら、ついでに1日ぐらいはボートショーを組み込んではいかがでしょうか?ただ、見るだけでも充分かと思います。でも、実際、海外の大きなボートショーでは1日だけでは、何が何だかわかりません。最低2日は必要かと思います。初日にざっと全部見て、二日目に気になるヨットを見るとか。ただ、混んでますので、大変ですが。

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