第二話 ボートでの旅

ある方から聞いた話ですが、ボートでの日本一周をされた際、最も気になったのが燃料の事だそうです。次にどこで燃料を補給するか?確かに、ヨットに比べれば燃料消費が大きいので、心配になります。という事は満タンでどのぐらい走れるか?ロングの旅になりますと、そこは大きなポイントのひとつと言えると思います。それに燃費も大きな問題です。ボートとヨットでは燃料の消費量が全く違う。燃料消費量と短縮時間、どっちを取るかとも言えますね。ヨットの3倍のスピードで走る。でも、燃料は3倍どころか、10倍以上は費やされます。軽油免税が役に立ちますね。

ヨットが旅をエンジンのみで走る事が多いので、旅情的な感覚は、ボートがゆったり走れるならあまり変わらないかとは思います。むしろ、快適かもしれません。場合によっては、贅沢にエアコン付きで、暑さ、寒さも問題無い。それに何と言っても時間短縮が可能ですから、忙しい現役のビジネスマンには良いと思います。週末の1泊2日とか、3連休なんかありますと、ちょっと楽に旅を満喫する事ができます。

という事で、現役ビジネスマンや何かと忙しい方々には、デイセーリングか、旅派にはヨットマンズボート、引退して時間たっぷりの方々にはロングの旅も楽しめるクルージング艇、そういう考え方もできます。とにかく、生活スタイルに合うヨットまたはボート選びが必要かと思います。でないと、せっかくの選択が実行されなくなります。理想的には、ボートとデイセーラーを二つ持つ事ができれば、最高ですが、まさか。

ヨットもボートも、浸透度が高まるにつれて、使い方にもバリエーションが増えてくる。自分のスタイルが見えてくるからでしょう。そうすると、いろんな割り切り方が簡単にできるようになります。かつては何でもひとつの艇に盛り込む事が当たり前だったのが、こういうスタイルにはこういう艇という風にしぼりこむ事で、そのスタイルにおいてはもっと楽に、気軽に、もっと楽しむ事ができるようになる。ボートが30ノットとスピードばかりを追う時代ではありません。嫌ってばかりいないで、その実を見る事も、新しい考え方を生み出すきっかけになります。

ある方は日本一周をヨットで実行された。1日5時間の機走、25マイルぐらいでしょうか?ボートなら1時間、ゆっくり走って2時間の距離です。同じ5時間走るなら、100マイルぐらい。それももっとゆったり考えるなら70〜80マイルぐらい。ゆったりと時間を使えますから、その分、各地での楽しみ方もたっぷりと余裕の時間が取れる。そう考えてみますとボートの旅も考え方次第では、良いかもしれません。

もちろん、陸に寄らない旅はヨットでなければなりません。それもエンジンでは無くセーリングです。
それで、結果、セーリングはデイセーラーで、沿岸の旅はヨットマンズボート、そして外洋はクルージングヨット、そんな考え方を最近どうかなと考えている次第です。賛否両論でしょうが、こういう考え方もあるという事です。

次へ          目次へ