第七十七話 最高の無駄、おもちゃショー

東京ではおもちゃの展示会が開催されたそうです。おもちゃ業界は少子化の影響を受けますが、大人向けのおもちゃの開発によって、売上が伸びているそうです。なる程、大人だっておもちゃが大好きなんですね。男はおもちゃの魅力にわくわくします。そのおもちゃが何ができるかなんてのは全く関係無いわけで、仮に実用的であるにしても、そんな所に魅力を感じるわけではありません。重要な事は面白いかどうかです。

  1932年にアメリカではGEE BEEと呼ば
  れる飛行機が作られた。左の写真を見て
  も、このずんぐりむっくりのスタイル。これ
  でレースをして遊んだらしい。そして、今日
  でも、同じようにレプリカが造られ、同じよ
  うに遊んでいるらしい。本物の機体で飛ん
  で遊んでいる人も居れば、ラジコン造っ
  て、飛ばしている人も要る。どちらにして
  も、純粋遊びの純粋な無駄であります。






  何ともユーモラスで、面白い。この面白いと
  言うのが、遊びには絶対欠かせない。こん
  なおもちゃ、何の役にも立ちません。それど
  ころか、何の役にも立たない無駄だからこ
  そわくわくさせられる。面白さだけのおも
  ちゃ。無駄の度合いが高い程、面白さの
  度合いも高くなるような気がします。
  ちょっとでも、何かの役に立つと、その役
  立ち度合いが気になってきます。それが
  無ければ、純粋に面白いかどうかに集中
  できるというものでしょう。それで、おもちゃ
  は最高の無駄ですから、面白い。一見、
  何かの役にもたつと、良さそうな気がしま

すが、実は、逆なのではないかと思う次第です。ダイエットの為にジョギングをするとするとすると、痩せる効果が出無いといけません。痩せる事が気になり、毎日体重を量る。でも、そんな事気にしなければ、ジョギング自体を楽しむ事ができる。

本当は、男をわくわくさせるのは、そんな遊び心なのでは無いでしょうか?ヨットにもそういう遊び心をもっと発揮してはどうでしょうか?ヨットは遊び物、男のおもちゃなのです。おもちゃは面白く無いといけません。わくわく感を味わえるものでなくてはならない。その方が実用性を発揮するよりも、遥に面白い、楽しいからです。

ヨットに実用性を考えた時、そのわくわく感から少し離れていきます。それはおもちゃがおもちゃで無くなり、いかに役立つかを考えるからです。自分をわくわくさせる何かを発見した時、それにたまたまギャレーがあったり、キャビンがあったりで、キャビンが魅力というのでは無い。このわくわく感を今失いつつあります。それは遊びが遊びで無くなる事をも意味する。

ヨットとは一体何でしょう?自分のわくわくする部分はどこにあるのでしょうか?それ無くして、ヨットを遊ぶ事はできません。それは遊びに見えて、実は違う物にすり替わっている。遊びというジャンルにおいて、キャビンにわくわくするとは聞いた事がありません。わくわくするものにたまたまキャビンがあって、ギャレーがあった。それで充分なのではないかと思います。その方が本当に心から遊ぶ事ができるかと思います。便利だかんだと言っても、このわくわく感には勝てませんね。

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