第八十六話 江ノ島

  神奈川県の逗子マリーナにアレリオンを納
  めてまいりました。とっても良いマリーナで、
  スタッフ皆さん親切ですし、誰に対しても笑
  顔で挨拶もされ、気持ちの良いマリーナでし
  た。

  その気持ちの良いマリーナからアレリオンを
  出して、相模湾のセーリングをオーナーと楽
  しんでまいりました。写真はサザンオールス
  ターズでも有名になりました江ノ島です。

  この海岸線には、いくつものマリーナがあ
  り、土日になりますと、各マリーナからたくさ
  んのヨットが出、それぞれに楽しんでありま
  す。さすが、ヨットのメッカというところでしょうか。

結局、土、日、月曜の朝まで、計5回のセーリング、こうやって気軽に出せるのも、このアレリオンの良さです。あいにく、あまり風が無く、時折やってくる風に少しはセーリングの感じを味わえました。

常々、グッドフィーリングという事を言いますが、これは何もセーリングだけでは無いなと感じます。この逗子マリーナさんのように、気持ちの良いスタッフがおられる事は重要で、マリーナの力を感じます。ホームポートですから、家なのです。家に帰ってくれば落ち着ける。これが必要でしょう。その上に、気持ちの良いセーリングを味わえるのが最高です。但し、今回はとっても暑かった。やはり、夏は夕方のセーリングかな。

今回のオーナーは、ヨットは全くの初めての方です。そして、初めての方にいつも言う事は、まずは
エンジンで走って、機走に慣れる事、エンジンで出て、帰って来れるようにする事、そして真っ直ぐ走れるように舵取りができるようになる事、そして、常に周辺への注意を払う事です。それに慣れてきたら、セールを1枚上げて、セーリングをする。この際セールカーブがどうこうでは無く、メインシートだけを使って、風の方向に対する角度を適当に変えてみる事、これにも慣れてきたら、ジブも出す。今回は3日のセーリングで、結構慣れてこられました。後は、回数乗る事と、自分でも考える事です。はなっから、解らないと決め付けずに、自分で考える習慣を持つ事は上達の秘訣です。幸い、ヨットはコンピューターで動くものとは違い、見て、考えれば分かる事がたくさんあります。そうやって習得していきますと、本当に自分のものになる。自分のヨットをじっくり観察して、どのロープがどこを通っているか、それを引くと何がどうなるのか、そういう事が解ってくる。

ロープはたくさんありますが、ひとつひとつに役目があります。その役目は観察する事と考える事でだんだん解るようになる。すると、全体もわかってきます。それに、全てのロープを常に使わなくても、とりあえずのセーリングはできます。まずは、ジブシートとメインシート、これに慣れてしまえば、後は、レベルアップのセーリングになります。それには、学び、考える習慣が必要になります。でも、これには解るという特典がついてきます。ひとつ解れば、快を得、次にまた疑問が沸いて、また考える。解るたびに、セーリングの仕方も少しづつ変化するでしょう。そういう遊び方もあります。
大人の頭脳と腕白坊主としての心、ヨットは大人を、かつての腕白坊主の時代に引き戻してくれる。これぞヨットの魅力。大の大人が、何にもならない事に夢中になれる。何の打算も無く、そこが魅力なのです。ですから、時に、思わぬ快を得る事ができます。

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