第五十二話 人生80年

生まれて80年も経てば、誰でも死んでしまう。偉大な人も、有名人も、すごい事した人も、何でも無い人も、みんな死んじまえば同じです。死んでからほめられても仕方無い。歴史に残ったとしても解らない。だったら、もっと楽しんだ方が良い。褒められる為では無く、名誉でも無く、やりたいからやる。

チクセントミハイという人が考えたフロー理論なるものがある。人は、何らかの報酬、金銭もあれば、名誉もそうでしょう、そういう事に関係なく、自分の意識が向いた方向に集中した時、そこにある流れが生じ、最も幸福感を得る事ができるらしい。それも素晴らしいアイデアが湧き出てきたり、効率も非常に良くなり、全てが整うという事でしょう。あらゆる困難さえも乗り越えていくパワーも湧き出てくる。

誰でも、充実した幸福感を味わいたいと思う。それは自分が最も面白いと思う事をする事だろうと思います。それは理屈では無く、まあ勘でしょう。面白いと直感する。その為には、普段から自分は何を感じているのかを意識するのが良い。そうすると、自分の感覚が良く解ってくる。

80年という期間を考えたら、80年という長い映画を見ているようなもの。全ては移り変わり、展開していく。すると、結構気楽に見る事ができる。次の展開は一体どうなるだろう。各人各様のストーリーがあるので、それを面白いものに書き換える。面白いと言っても、なかには苦しい事もある。もちろん楽しい事もある。でも、どれもが80年の中の一瞬でもある。そう思えば、結構気楽にいろんな事ができる。そこに俗にすごい事をやったとしても、ストーリーが終われば、ハイそれまでよ〜。
となって、そこで達成感はあるものの、燃え尽き症候群になる事は無い。

この人生でどんな映画を見れるのか、たのしみだな〜という感じ。もっと気楽に、フローを感じながら過ごせれば、かなり充実した面白い人生になるのではなかろうか?簡単では無いのですが。
まずはそういう意識をする事から始めたいと思います。

意識が集中しますと、四六時中その事について考えている。疲れもいとわない。そういう時は実に充実感を感じます。それには面白いと感じるものでなければ、嫌な事には集中できません。それは完成もさる事ながら、その過程が実に面白い。

それだけなら燃え尽きてしまいかねない。で、80年というストーリーを意識すると、ストーリーの一部として鑑賞できる。完成は死ぬときになる。その完成の度合いにしても、死んじまえば解りませんから、それより歩いてきたプロセスが面白かったなら、結構満足できるかな?その間際。一瞬の何かを作り上げる事もあるが、それも長い80年のストーリーの一部として考える。ヨットを手に入れ、どんな事をするかは自由ですが、どんなストーリーを作りたいか?それが解って意識しているなら、それこそ何でも良いではないかと思います。

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