第七十二話 不思議

不況、不況と大騒ぎ、株価暴落、円高。しかし、こんなに不況なのに、何故円は上がるのか?しかも、ドルだけが下がったわけじゃない。ユーロだって、無茶苦茶下がって、円のみが上がっています。円が上がるという事は、円を買う人が多いという事になります。外人は円を買ってる。しかも相当量です。何故、不況日本の円を買うのか?

円高になって、輸出関連企業の株は下がり続けています。しかし、昔、1ドルが79円台になった事がありましたが、この時、確か私の記憶では輸出企業も膨大な利益を得たと思います。蓋を開けてみれば、輸入している材料費が円高で安く入って、国内の販売では利益が相当出たとか。その時の事情と今では違う事もあるでしょうが、あの時だって、バブル崩壊後の事だったと思います。輸出企業は輸出オンリーでは無いはず。

それに、円だけが上がる、価値が上がるという事は、世界は大不況、その時に最も安定した、安心できるのは日本と見て、円を買っているのではないか?すると、日本はもっと安定して良いはず。ところが、経済は心理的影響を受けます。特に、株価なんかそうでしょうから、心理的なあおりと言いますか、テレビ見ても不況しか言わないし、それで、みんな株を売る。だから下がる。でも、世界は日本を最も安定した国と見ているのではないか?

憂事のドルと言われますが、そのドルが震源地ですから、ドル以外となりますと、円があった。そういう事なのではないか?それにサブプライムローンの影響だって、日本は少なかったし、金融機関の不良債権処理も済んでいたし、何がそんなに悪いのか?ひょっとしたら、この株安、またまた外人投資家が、日本株を安いところで、どんどん買うんじゃないか?利益をまたまた外国に持っていかれるんじゃないか?そんな気もしないでは無い。

日本は輸出で成り立っている。しかし、その材料は輸入に頼っている。食料だって、殆ど輸入です。輸出関連株が下がるなら、輸入関連株は上がっているのか?それにしても、ユーロスタート時は120円だったと思います。それなら今とあまり変わらない。ドルだって、昔は79円もあった。それでも、日本企業は乗り越えてきました。黒字を出して。

企業は今回の事で、またまた大義名分ができた。給料上げれない、リストラやむをえない。ひょっとしたら、そのうち莫大な利益がでたなんて事があるかも?

1500兆円のお金はある。海外に比べたら、日本は相当良いのではないかと思うのですが?もし、本当にそうなら、株はまた上がる?幻のような経済は、最終的には実体経済に依存するだろう、そうなると日本が良い。円高がその証拠ではないか?少なくとも、世界はそう見ているのではないか?円の価値が上がっているという事は、対外的に円が強いという事なので、それは喜ぶべき事なのではないか?強くなって、困ってる日本、一体どうなっているのか?

ここで、国内需要を高める方策を取って、円高を享受して、景気を上げてもらいたいな〜。そうしますと、ヨットが売れますね。冷静になって考えれば、悪い事ばかりじゃないと思うのですが。場合によっては、日本にとって、これはチャンスかもしれません。日本は優等生なのかも?国内需要をどう高めるかが鍵かもしれません。アメリカ市場は冷え込んじゃいましたし。国内需要を高める事ができれば、アメリカから輸入して、アメリカの輸出を助ける事にもなる。さあ、どうやってそれをするか?政治手腕の見せ所?経済の牽引車になれる?

素人経済考ですから、無責任な発言です。でも、素朴に不思議だな〜と感じます。

ヨット買って、乗らないのも不思議、大きなキャビンがあるのに使わないのも不思議、セールがあるのに、エンジンばっかりで走るのも不思議、便利装備をいっぱい施して、使わないのも不思議、素朴に考えれば、世の中不思議な事ばかり。それをみんな夢という言葉で誤魔化していないか?夢という心理的なもの。夢を買って、たなざらし?不思議です。

心理的なものが壊れたら、実体にもどらざるを得ない。そして、その実体は果たして面白いのか?
実体経済は?実体ヨットは?同じようなもんだと思うのですが?その上に実体の無い経済や夢がのっかってます。夢を壊すつもりは無いが、実体の上に成り立つ夢の方が面白い。実体の上に成り立つ経済なら、確実かと思うのですが。

幻のような経済が実体経済を壊す。幻のような夢が実体のヨット界を壊す。そういう事があってはならないので、実体を見つめなおして、実体を活性化させて、夢を現実にする。そう願いたいもんです。そうすると足腰が強くなる。スタビリティーの高いヨットは、帆走が面白い。これは幻ではありません。夢は幻と実体に根づいた夢がある。幻は妄想だが、実体に根づくと現実になる。妄想はいつかは消えるもの、現実はもっと飛躍できます。

とんでもない夢を語って、夢を売る。それも商売。しかし、とんでもない実体の無い、幻の夢はあっと言うまに消える事がある。でも、ヨットは実体、現実の運営をきちんと考えた夢、これなら安心です。何しろ、ヨットそのものが夢にもなります。はっきり敢えて言えば、世界一周や家族団欒は幻に近い。でも、ヨットは実体そのもの。その実体をいかに運営するか?それも実体のある夢であります。面白さであります。

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