第八十話 CHANGE

アメリカ初の黒人大統領。CHANGEは彼の言葉ですが、米国民がまずこのCHANGEを実行したという感じですね。何か、これまでのアメリカ一極集中が、変わるような気がします。アメリカは資本主義の権化、その資本主義は頂点にまできて、資本主義の限界のような感じがして、そこからまた別な方向に変化していくような?ソ連が崩壊して、続いて、崩壊とは言わないものの、資本主義から別の主義へ、資本主義と共産主義を超えた、何か別なところにいくスタートのような気がします。

ところで、我々も、このCHANGEについて考えた方が良いような気がします。政治の事でも主義の事でもありません。我々のあり方についてです。何度も言ってきましたとおり、全国には殆ど動かないヨットが山ほどあります。その動かないヨットの方が動くヨットより、遥に多い。それで良いのか、という極めて身近な事です。余計なお世話と言われるかもしれませんが、私には異常に見えてしまいます。高価なヨットがほったらかしになっている事は、異常であります。そんなに使わないのであれば、レンタル的なビジネスが流行ったりしても可笑しく無い。使う時だけ。

これまでは極端な言い方かもしれませんが、所有する事に意義があった。いかに使うか、楽しむか?一見、そこを考慮しているようで、実は所有する事が目的であったのではないか?ですから、所有した事でかなりの満足感を得た。しかし、その後は、減衰していった?これはまだ我々の意識がヨット文化に追いついて行っていない証拠ではないか?そこで、CHANGEです。これまでの経緯は、今後の変化に対する必然であったかもしれません。これからCHANGEです。

所有する事から始まりますが、それは最初の門に過ぎない。重要な事はいかに使い、いかに活かし、いかに楽しむか?そこに注目していきます。所有だけなら、見映えが良い物が優先です。しかし、現実にいかに使うかになりますと、もっと違う側面をも考えなければなりません。動かせるのか?クルーは居るのか?誰が乗るのか?どういう使い方をしたら面白いか?何を得たいのかです。
つまりは、所有から使用へという事です。

見映えが良い事も重要です。でも、実際の使用に応えるものでなければならない。そういう意味では、今後は、各人の本当の個性、ライフスタイルなど、言葉だけでは無く、本音の部分で検討しなければなりません。そして、その方が、絶対面白くなると信じます。

かつては、買い替えの度にサイズが大きくなるというのが常識でした。でも、そんなの関係ない。仕事に変化があり、家族に変化があり、自分も年を取ったり、好みが変わったり、いろいろですから、買い替えで小さくなったり、レーサーからクルージングへ、クルージングからレーサーへ、どっちの方向にも移動できる。外洋艇からデイセーラーに変わる事だってあります。

となりますと、これまではみんな同じようなヨットを購入する事で安心していましたが、例え、ブランドが違ったとしても、同じようなもんです。それが、今後は、バラエティーに富む選択になっていく。それも、実際の自分の個性、スタイルに合うように。そういうCHANGEのスタートがこれから始まっていくと期待しています。それぞれが、それぞれのスタイルで楽しむ時代になる。一様では無いのが人間ですから。

世間は不況と騒ぎますが、何かこういうショックが無いと人は変われませんから、これを機会に、みんなで良い方向にCHANGEしましょう。きっと面白くなると思います。いよいよ、これからは本当の個性の時代になると思います。それが許される時代です。個性派が変わり者扱いされなくなりますと、みんなやりやすくなりますね。何を面白がってやるかは、他人には関係無い事ですから。その代わり、全ては自分次第です。面白いのも、面白く無いのも、自分次第。ならば、他人のマネじゃなく、自分の面白い事やりましょう。ピンと来る感性を大事にしましょう。

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