第九話 デイセーラーのセーリング
| デイセーラーのセーリングはクルージング艇のそれとは全く違います。まさしくセーリングを楽しむ為に造られたヨットである事が感じられます。フリーボートの低さは海面が近く、セーリングしていて、スピード感が違います。また、フリーボードが低いという事は船体の重心も低い。おまけに高いバラスト比によって、腰の強さに助けられます。腰の強さによって、セールも広範囲にフルでの展開を遊ぶ事ができる。 どのヨットも操作は簡単でありながら、同時にやろうと思えば細かいトリミングを施す事ができ、船体もそれに応じた反応をしてくれる。そういうレスポンスの良いヨット、硬い船体、バランスの良さ、それらがどれほど有難い事であるのかが、良く解ります。スムースなセーリングはグッドフィーリング、スポーツカーのようなヨットという事が言えると思います。走りを楽しむヨットです。 走りを楽しむと言いますと、ヨットで言えばレーサーを思い浮かべますが、それとも全く違います。 もっと楽にセーリングを楽しめる。それがデイセーラーのセーリングかと思います。 これまではセーリングを純粋に遊ぶという事はあまり無かったように思います。それセーリングを手段として、レースであったり、クルージングであったりするわけですが、このデイセーラーの登場によって、セーリングを手段では無く、目的として遊ぶ事への提案がなされました。それがどれほど面白いものであるのか、欧米でのデイセーラーの浸透度を見ますと、想像する事ができます。 舵を持つ手、トリミングの変化、自分が操作した事がそのまま感じられ、それを楽しむ。セーリングそのものを楽しむ。今まであったようで、無かったジャンルかもしれません。それを是非、日本において、広げたいというのが、当社の主旨であります。 誰かが、デイセーラーはセカンドヨット、別にクルージング艇があって、二艇目のヨットとしてほしいな、といわれたことがあります。確かに、そういう思いもあると思います。しかしながら、多くの方々のヨットの使い方を見てみますと、必ずしもそうとも言えない。多くの方々がクルージング艇でデイセーリングを楽しんでおられます。ならば、それをデイセーラーでやりますと、セーリングの質の違いが感じられ、何もセカンドでは無く、ファースト足りうると思います。どうせセーリングするなら、グッドフィーリングを得たいものです。そして、クルージング的な使い方も可能です。 セーリングの質を言葉で表現する事は不可能ですが、その滑らかさには、誰もがフィーリングの違いを感じて頂けると思います。そこで、従来のヨットであるレースとクルージングに加えて、セーリングというジャンルを加えて、セーリングそのものを味わう為のヨットとしてデイセーラーを提言しております。 昔のイメージですと、デイセーラーは小さいからデイセーラーという感じでしたが、今日のデイセーラーは質の高いセーリングを味わう為のヨットと言えると思います。ですから、そこの所は一線を画します。是非、セーリングそのものを遊ぶという事を考えてみてはいかがでしょうか？ という事で、２００９年もデイセーラーを広げる事を主旨として頑張っていこうと思います。では、皆さん、良いお年をお迎え下さい。 |