第九十話 セール

セールと畳は新しい方が良い。セールは本来は消耗品なのですが、これがまた長持ちします。破れない次元という事なら、20年かもっと持ちますね。使い方にもよりますが。でも、レーサーでのセールは数年しか持たない。

どこまでセールに求めるか?寿命はこれ次第です。ダクロンセールで、10年も20年も使う事は可能ですが、それが主機であるなら、くたびれたセールでは本来の力はありませんので、そのヨットの本来の性能も引き出す事はできない。移動目的ならどおって事はありませんが、セーリング目的なら、せっかくのフィーリングが損なわれる事になります。よって、セールは目的次第。セーリング目的なら新しい方が良い事は言うまでもありません。

セールは延びますから、延びてしまったセールをどう扱っても、どうにもなりません。あるオーナー、クルージングですが、デイセーリングを主に遊んでおられます。風が強くなって、どうあがいてもセールは丸いまま。それで、ヒールするばかり。これでは乗る方が大変ですし、せかっくの快走の風も快走を味わうどころではありません。それで、思い切ってセールを新調していただきました。それからは見違えるばかり、快調にセーリングを楽しめる。デイセーリングをするなら、セーリングそのものを遊ぶなら、セールは命であります。

中古艇なんかでも、クルージングの場合、あまりセールを気にされません。破れてい無いかどうか程度です。もちろん、使い方、目的によりますが、セーリングそのものが目的で無ければ、あまり気にされないでも良いかもしれませんが、でも、日常、ちょいとデイセーリングして、と言う方は多いと思います。ならば、セールを新調される事をお奨めします。その方が、快走を楽しめ、しかも楽になれる。セールは主機、エンジンが本来は補機です。

ヨットは壊れれば、修理をして、長く長く、50年かそれ以上使えます。でも、セールはそういうわけにはいきません。修理するという次元の物では本来は無い。消耗品であります。決して安くは無いので、もったいないという事にもなりますが、その反面、快走というチャンスを逃しています。これももったいないです。本来、何の為にセーリングしているのか?快走を味わう為なら、船底もきちんと掃除して、メインテナンスもやって、セールもきちんとしている。それが当たり前で、目的からして、そうしないと、本来の目的を達し得ない事になります。ヨットを所有する限り、これは着いて回る事になります。

とは言いましても、セールも高いですからね。やっぱり躊躇しますね。解ります。そこが思案のしどころですね。まあ、で、どこかで是非、エイヤーっと決心してください。きっと後悔はしないと思います。航海はしますけど。きれいなセールがきれいなカーブを描くと、それだけでも気持ちが良いですから。やっぱり、何とかと畳とセールは新しい方が良い。

ロープ類も全部換えますと、10万ぐらいすぐに吹っ飛んでいきます。でも、これも消耗品ですね。考えて見れば、長い事使える物です。それにこれらも新しくなれば、気持ちが良い。それにヨットの掃除でもしたら、とっても気持ちが良くて、気も新になります。

気持ち良いヨットで、気持ち良くセーリング。何でも、かんでも、気持ち良いのが良い。その為にヨット乗ってます。気軽で、気持ち良くセーリングできるなら、、他に何が欠けているでしょう。10年ぐらいを目安に一度全体を見直してみると良いと思います。急に思い立つと費用の件でも躊躇しますから、最初から10年経ったら見直すつもりで居る事は大切かなと思います。そういえば、マンションなんかでも、10年とかで大規模な改修工事をしたりします。それと同じですね。同じように、費用を積み立てたりするのも良いかと思います。

セール、ハリヤード類の他、壊れるまでほっとくのでは無く、モーター類とか、バルブとか、点検掃除して、サビまくったものとかは早めの交換等をされると、未然にトラブルを防ぎますし、とにかく、全体をリフレッシュしますと、また次の10年ぐらい気持ち良く乗れる。ヨットはマンション以上に長持ちですから、その為にも、10年に一度のリフレッシュをしてやると、ヨットにも、自分にも良いと思います。ロープ類が新調され、セールカバーも新しくなりますと、とってもスッキリします。

月に¥5,000円、リフレッシュ資金をためますと、年間¥60,000円、10年経ちますと、60万になりますね。かなりの事ができます。10年に一度のリフレッシュをするなら、普段は掃除程度でも充分かもしれません。エンジン整備と船底は必要ですが。

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