第三十四話 ビミニトップ

ドジャーと並んで、最近の夏の暑さ対策として、コクピット天井に設置して日陰を作るビミニトップがあります。畳めばバックステーに倒して畳む。使う時は広げる。真夏の日差しは非常にきついので、これがあると無いのとでは、雲泥の差かもしれません。

ドジャーもそうなのですが、クルージングには非常に重宝します。長いクルージングの旅において、スプレー避け、雨避け、日差し避け、これらはクルージングには欠かせないアイテムになりそうです。

しかしながら、デイセーリングにおいては、これらが無くても良いのではないか?2〜3時間ですから。スプレーを楽しみ、雨を楽しむ。風が吹けば、良く走り、日差しも気にならないかも?微風の時や無風では漂う感覚を楽しむという事はできないかもしれませんが。デイセーリングにとって、真夏の風が無い時などは、敢えて言えば、オフシーズン。ちょっと待てば、秋が来ます。

もちろん、地域による差もあるでしょうから、一概には言えませんが。

ビミニも無い。ドジャーも無い。コクピットはスッキリします。旅とセーリングは異質のものであります。旅は目的地に近づく事を意識しますが、セーリングは走る事を意識しますから、意識が違う。
意識が違うと、ヨットに対する考え方も違う。必要な物が邪魔になったり、あれがあれば良いのにと思ったり、つまりはオーナーの意識次第になります。

ただ、時に、無意識のうちに、便利さで採用する事があります。最初は仕方ない。その後、乗るうちに、使わないもの、あれば良いと思うもの、いろんな事が分かってくる。あっても、邪魔になければ構わないが、邪魔になるとか、メインテナンスがひとつ増えるとか、そういうもはどうか?
でも、まあ、夏の日差しの強い事。日陰が恋しくなります。

セーリングをするという事以外で、いろんな装備があります。当たり前のように設置する物が本当に必要かどうか?そこは一考を要するものもある。それらを考える事は、自分のスタイル、使い方を考える事でもあります。

とは言いましても、最近のプロダクションのクルージング艇には、多くの装備が標準でついてます。冷蔵庫、温水、ギャレーにはオーブンまであります。クルージング艇というコンセプトですから、旅を楽しむ為にある。旅を楽しむのが主目的なら良い。でも、そうで無いなら、何日でも無いなら、ヨットの選び方自体から考えた方が良いかもしれません。

クルーが居て、主はセーリングを遊び、近場のクルージングを遊ぶのなら、レーサークルーザーというコンセプトの方が良いかもしれません。そういうヨットでも、十分なキャビンがあります。そして、セーリングも楽しめる。或いは、ハイパフォーマンスクルージング艇?どう違うのか?

シングルも有なら、デイセーラーがお奨めですが。

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