第二十話 為替リスクをどうする?
上記の表は、2009年9月25日の外国為替のレートです。左側に通貨名、その右横に為替レートが書かれています。これは簡単にインターネットを通じて見る事ができます。テレビニュースでは為替レート1ドルがいくらと出ますが、実際の銀行レートでは、銀行の取引に対する手数料が加えられますので、テレビで出るレートとは少し違ってきます。銀行が買う時、つまり、手持ちのドルを銀行に売って、円に変える時、CASH B、銀行から、キャッシュドルを買う時、CASH Sのレートになり、大きな差が出ます。これはキャッシュという現物の在庫という考え方ですから、手数料が大きい。その他は、キャッシュでは無く、帳簿上のやりとりになりますから、レートが違います。 さて、通常、ヨットを購入する場合は、上記のTTSのレートになります。だいたい、相場の1円程度がドルの場合でしたら手数料として乗っかっています。我々が造船所にヨット代金を支払う時に採用される為替レートがこれです。銀行送金レートとも言います。 最近は円高が進み、25日現在では、1ドル91.82円。かつては、130円代なんかもありましたので、この差は非常に大きい。こんなに為替が変化しますと、日本円設定の定価という価格が非常に的を得たものでは無くなり、説得力に欠ける事になります。それに、ヨットは発注して数カ月を要しますので、その間の為替変動もありますので、リスクが高くなります。 そこで、私共は為替で儲かる必要も無いかわりに、為替で損もしたくない。それで、当社では全てドルかユーロにて販売しております。そうなりますと、為替がいくらになろうが、損も得も無い。しかしながら、この為替リスクをお客様におしつけるのも本意ではありませんので、お客様に対してはふたつの方法から選択して頂いております。 ドル又はユーロで契約して頂き、円貨でお支払い頂く。数か月に及び、3〜4回に分散してお支払い頂きますので、その都度の為替レートのリスクが生じます。そこで、お客様の判断にて、そのままでも良いですし、円高になれば、お客様が得をされ、円安になれば損が生じます。 或いは、契約時、お客様がドル預金またはユーロ預金を設け、ヨット代金分をその口座に入れておきます。その時のレートはTTSになります。何も、キャッシュではありませんから。そうしますと、契約時の為替レートが確定し、そのドル、又はユーロで当社にお支払い頂く。これは為替リスクが一切無くなります。その代わり、後、円高になっても得はしないし、円安になっても損もしない事になります。現在では、外国通貨の預金口座を簡単に設ける事ができるようになりましたので、このふたつのいずれかを判断して頂いております。この方法は、お客様、当社、造船所、三方ともに損をしないやり方です。もちろん、為替による得もありませんので、本来のビジネスオンリーです。 さて、昨今は円高が進んでおります。輸入価格が安くなりますから、ヨット購入なんかには絶好のチャンスでもあります。ところが、日本は輸出に頼る割合が多く、円高になりますと、不況とかいうフレーズが一緒にくっついてきて、消費マインドを抑えつける。でも、可能である方ならば、今は絶好のチャンスなのです。日本が景気が良くなると、今度は円安に振れる。輸出企業が景気良くなる。 すると、輸入価格は上がらざるを得ない。上手なやり方では無いですね。 円高というのは、円の価値が上がる事ですから、本当は良い事のように思えるのですが?円の購買力が上がるわけですから。為替による価格変動は、質にも何にも関係無い。安くなっても、高くなっても同じ物。ならば、安い方が良いに決ってます。 |