第二十五話 国民性? 

日本市場は低迷中?アメリカ市場だって同じはず?ところが、最近入ってきたニュースによりますと、量産艇は兎も角、少量生産艇は結構元気が良いようです。一時期の低迷はあったようですが、それが戻ってきているそうで、秋のボートショーにも力が入っているようです。

日本の場合は、例えその余力があっても、回りの目を気にする国民性ですから、様子を見たりというのがあります。しかし、アメリカとかヨーロッパでは個人主義と言いますか、そんな目は気にしない。それどころか、アメリカンドリームに象徴されるように、できるというのは、良い事であり、遠慮は無い。そういう事を考えますと、少量生産というのは、品質は高いがその分値段も高い。つまりは、そういう層が居て、そういう方々が購入するのでしょう。

先日、NEWSでも書きましたが、イタリアのコマー社も、ボートショーに向かって、ニューモデルの発表を行うそうで、これまで62フィートが最大でしたが、今度はカーボン製のラインを発表し、中には100フィートモデルも建造に入りました。一体、世界はどうなっているのか?

日本は格差社会と騒がれますが、海外ではその格差がもっと大きい。つまりは、すごいお金持ちがうじゃうじゃ居るわけで、それが少量建造の分野では、丁度良いぐらいなのかもしれません。そこに、国民性の違いか、余裕ある方々は、気にせず買うわけでしょうね。

ちょっと昔、トヨタの高級車、レクサスが、予想以上に売れたとか。その原因は、ベンツでも良いのだが、やはり、周囲の目を気にして国産にした。それで、予想以上の売れ行きとなったとか、聞いた事があります。いかにもというようなベンツにはしなかった。最近はベンツも珍しくも無くなりましたが。そういう国民性の違いというのもあるようです。

日本は国内需要を高める方向に行かねばと言われます。円高で輸出企業は大変です。では、輸入は良いはず。でも、輸入も不景気だから、円高還元として、利益を多く取るより、販売価格を下げる。企業が利益を取れれば、関連企業にもお金が回るし、そうなると雇用促進にもなるでしょう。
でも、競争の為、円高分安くするわけですから、消費者には良いが、企業には相変わらず厳しい。そうなると、雇用促進にはならない。

国内需要を高める。日本には、個人資産が800兆でしたかあるそうで、国内需要を高めるには、これらの資産を持つ方々が、国内で使いたくなるような市場にならねばならない。10%使われますと、80兆円ですから、これはすごい。

景気が良いという事は、消費が伸び、物価も上がる。結局はそういう状態にならなければ、景気が良いとは言えない。現代のように物価が下がるようではいつまでたっても、景気は良くならない。給料が上がれば、消費は伸びる。でも、消費が伸びなければ給料を上げれ無い。どっちが先か?
ならば、政府が公共投資をとなるのでしょうが、それだと国の借金が増えるばかり。日本にお金が無いわけじゃない。800兆円ある。結局は、そこから消費が増えるのが良いのか?

いくらお金持ちでも、人の何倍も食えないし、家だってそうそう何軒も持ってもしょうがない。結局は豪華客船で世界一周とか、車なら数台あっても良い。それとボートやヨットなんかで是非遊んで頂きたい。それが日本を救う?ボランティア精神、日本古来の武士道精神?それが名誉でもある?

昔、昔ですが、南米のエクアドルという国のお金持ちの家に滞在していた事があります。もちろん、そこにはメイドが二人。日本人の私としては、つい遠慮して、自分でしますとか言ったりするわけですが、家のオーナーから、やらせろとたしなめられた事があります。自分でやったら、彼女達の仕事を取る事になる。それではいけません。そういう事でした。彼女達に仕事を与えねばならない。まあ、自分の成功を誇示する意味もあるでしょうが、一方では、そういう精神もあるようです。

そこで、日本の資産家の方々にも、日本を救う為に、一肌脱いではいかがでしょう?倹約は美徳とされますが、そこはおいといて、日本経済を救う為に、武士道精神を発揮して、日本を元気づけて頂ければと思います。そして、ボートやヨット、特にヨットですが、もっと海で遊びましょう。日本には海という財産が豊富にありますから、その財産を活かして、遊べば、日本は元気になる。元気になったら、景気が良くなって、結局、使った以上にまた儲かるかも。そうなったら、また使う。で、また儲かる。これが日本の正しいあり方?

まあ、冗談みたいな話ですが。お金がどこかに滞るのは、血管が詰まるようなものですから、天下の回りものと言われるお金は循環しないといけません。国内需要が高いというのは、外国に左右される度合いが少ない。強い経済になりますね。

そこで、我々は、ヨットで、もっともっと楽しい、面白い提案をしていかなければなりませんね。という事は我々次第という事に、結局はなりますか。

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