| セルフタッキングジブというのは非常に便利な装備です。しかし、あまり採用されていません。一部にはありますが。そもそも、セールプランにそういう設定が無いとセールエリアが小さくなります。ですから、自分の艇に設置しても、不満が残るかもしれません。 また、上りは良いにしても、リーチングですと、シートのリード位置が前後に変更できないし、前の方からシートをリードしますから、通常のジブより始末が悪い。でも、シングルなんかでは、このセルフタッキングシステムは捨てがたい艤装かと思う次第です。 デイセーラーは殆どがセルフタッキングジブを採用しています。そこにジブブームで問題点を解決したアレリオンやハーバーヨットがあります。でも、同じデイセーラーでも、ジブブーム無しのセルフタッキングもあるわけで、これらのヨットはジェネカー展開を当然の如く設定します。ジェネカー無しでは、セーリングが限られてきます。 セーバースピリットというデイセーラーがありますが、ジブブームは採用していません。それで、良くみますと、フォアステーのチェーンプレートはバウの最先端には無く、少し手前に位置しています。それでバウ最先端はと言いますと、ジェネカーを展開する為にあけてある。 写真では良く解らないかもしれませんが、フォアステーより先のバウ先端からジェネカーを展開できます。ジブは上りに徹して、リーチングからジェネカーを使う。これにはシングルはちょっと難しいかもしれませんが、確かに、ジブブームではあらゆる角度で効率良いセール展開ができますが、ジェネカーの方がセールエリアから見ても速いに決っています。でも、シングルではちょいと難しくなる。どっちを取るか？そういう問題になります。 そこで考えたのが、ジェネカーをファーリングにする。ファーラーにしてしまえば、シングルでも可能となる。何しろ、帆走中にセールを上げる事も無いし、セールを引き出すだけですから、シングルでも可能です。ただ、今度はジャイブの問題が出てくる。ひとりでジャイブするのは難しい。それで、一旦ジャイブ前に巻いて、ジャイブ後にもう一度展開する。これならシングルでもできる。ジブブームより少し面倒ではありますが、セーリングはよりエキサイティングです。どっちを取るかはオーナー次第ですね。 このように、ジブのセルフタッキング化はシングルのセーリング派には非常に良い艤装だと思います。ただ、ジブブームで行くか、ジェネカーかという選択が残ります。でも、これはオーナー事情、考え方、乗り方の違いでオーナー選択です。どちらにしても、少なくとも、メインと通常のジェノアのみよりも、良いセーリングが楽しめそうです。 |