第四十話 なんてったって、デイセーラー  

個人的好みを押しつけてはいけませんが、でも、やはり、日常をいかに気楽に楽しむかと考えますと、デイセーラーが一番という気になってきます。昨日はアレリオンで、今日はハーバー25で、セーリングに出ました。今日は、昨日よりちょとだけ風もありましたが、穏やかで良い一日を過ごしてきました。風が上がると、それに連れてふっと加速する。そんなレスポンスの良さが心地良く感じられます。

上り一杯で走りながら、ジブの両面のリボンに注意しながら、風下のリボンが乱れたら、わずかに舵で上らせ、風上のリボンが乱れたら、これまたわずかに舵で落とす。穏やかな中にも、そんなちょっとした緊張感を味わい、帰りはジェネカーを上げて、快走を楽しんできました。ハーバー25にはジブブームもありますから、そのままダウンウィンドも楽しめるのですが、オーナー希望でジェネカーも装備しています。

気楽さ、レスポンスの良さ、それでいてハンドリングのし易さ、そういう事を考えますと、さすがにデイセーラーは、日常のセーリングの面白さが良く解っているな〜という感じがします。大人数は無理だとしても、でかいヨットだって同じ事。それに、めったに乗らない大人数に合わせるなんてのは、あまり意味が無い。そんな気もします。2シーターのスポーツカーは二人乗り。それじゃあたくさん乗れないからと、7人、8人乗りのワンボックスに乗るようなもの。実用性が重要ならそれも良い。でも、自分の楽しみ優先なら、2シーターの方が面白い。さあどっちを優先しようか?

ラットが良い。という話も良く耳にしますが、ティラーも捨てがたい。ダイレクトに伝わる感触、微妙に切れる舵、バランスの悪い、重い舵は論外ですが、バランスの取れた軽い舵なら、ティラーも良い。何しろ、舵角が明確であります。それでいて、強風でも舵が重くならない。セーリングを楽しむなら、なんてったってデイセーラーであります。

それに、どこかの島や対岸に渡って、クルージングしようという事だってできますし、唯一ちょっと苦手というのが、キャビンで大勢で過ごすという事。それ以外なら、コクピットも広いし、それに操作がし易いし、操作が面白い。反応を見るのが面白い。

セルフタッキングジブを持つヨットは他にもありますが、ジブブームを持つヨットは多くは無い。これがあるか無いかでは雲泥の差であります。そういう意味でも、アレリオンとハーバーはシングルハンドを考えた時には、抜群でありますね。

他のデイセーラーは、ジェネカーが必需とも言えます。通常のセルフタッキングジブでは、ダウンウィンドは無理。ジェネカーを使う。もちろん、その方がよりエキサイティングにはなりますが、シングルの場合でしたら、ジェネカーを使う場合は、慣れが必要です。まあ、これもジェネカーのファーラーで、セールの両肩があまり大きくない、リーチング用と考えるようなセールにしますと、もっと気楽にはなりますが。

まあ、それにしても、気軽に、日常セーリングを楽しめるという事は、実に大事な事、これから先長いヨットライフを考えますと、気軽に乗れるヨットというのは大事かと思います。もちろん、ヨットには旅という面もあります。しかし、余程たくさんの時間的余裕が無いと、今日夕方までに、どこどこまでとかなりますと、どうしてもエンジンになってしまう。行けるところまで、というのなら良いのですが、一般的にはそうも行かない。でも、そこらの旅なら、デイセーラーでも行けます。

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