第六十八話 不況

あっちを向いても、こっちを見ても、不況、不況と同じ言葉しか聞こえてこない。もう飽き飽きです。
不況と繰り返すから、また不況になる。でも、冷静に考えてみれば、国内にお金が無いわけじゃない。むしろその反対である所にはたくさんあるわけです。それが動かないから不況であります。血液はちゃんとあるのに、少ししか流れていない。これは病気でありますね。

無駄だろうが、何だろうが、流れてさえいれば、どこかに流れて、それは無駄使いかもしれないが、その無駄に使われたお金が誰かの懐に入って、また次へ流れる。流れないよりはましではないか?節約ばかりすると、循環する血液が不足して、もっと重い病気になりはしないのか?節約も良いけど、今どこかに眠っているたくさんのお金が流れ出すようなきっかけを与えて頂きたいものであります。有効な使い方で、どんどん流れるように。血液は一杯あるのだから。

お金がある人は使わねばなりません。それが国民の義務みたいなもの。使わないから不況になって、国は税金と称する方法で吐き出させようと考える。税金で持っていかれるなら、その前にもっと使いましょう。自分の為に。自分の好きな事に、それが国民全体を救う事にもなる。不思議なもので、お金が無い人は借金してでも使おうとするが、お金がある人は使わない。それではあべこべ、お金持ちが贅沢をするのは、権利であり、義務みたいなものであります。お金を使いなさい。そうで無いなら、税金として取り上げますよ、なんて事言い出したら、面白いでしょうね。

でも、お金持ちにとっても、つまらない事には使いたくはありません。面白い事、楽しい事、役に立つことにしか使いたくない。そんな物がどこにある?お金があるからと言って、人の何倍も食えないし、美食ったって限界がる。家だけ何十件もあったって仕方ない。何か魅力あるものは無いのか?

ありますね。当然ながらヨットです。クルーに給料払って、自分はオーナーズチェアーでふんぞり返る。そんな時代は過ぎました。自分で舵を握るところに面白さがある。さあ、冒険の旅に出ましょう。と言っても本当の旅じゃありません。ヨットを自由自在に操船できる面白さを味わってみましょう。そんじょそこらの遊びなんかより、興奮します。もはや物を手に入れるより、いかなる味わいを得られるかが最も贅沢な遊びであります。お金出してヨットを手に入れただけでは、物質的満足感だけに終わる。そしてそれは一瞬の出来事として過ぎていきます。そうでは無く、そこから始まるのです。舵を握り、ヨットを自由自在に動かす。それはきっと、これまでに無い味わい。危険ももちろんあります。だからこそ面白いのです。

全ての国民が暮らしていけるようにする。そうなれば、治安も良くなる。その為には、景気が良くなって、みんなに仕事が回ってくるようにしなければなりません。それは持つ者が使う事であります。
しかし、政治が持つ者から取り上げるのは、資本主義にはちょっと反する。ならば、使う事を奨励する政策が必要になる。ヨットはエコそのものではありませんか、自然エネルギーです。ならば、ヨット買ったら、地球環境に貢献していますから、控除してもらいたいもんですね。ヨットの購入費用、年間経費、全部控除です。

日本はお金持ちに厳しい目を向けますが、テレビでもそう言わないといけないかのように、みんな同じ事を言う。でも、彼らに使ってもらわないと本当はいけません。経済はそう言いながら、お金の無い、庶民に何か買わそうとする。それより、たくさん持っている方々に、もっともっと楽しんでもらって、もっと人生を謳歌してもらって、使ってもらいましょう。これなら、みんなにとって良い。贅沢は敵だ何て昔は言いました。今は、贅沢は権利だ、いや、義務だと言いましょう。それは人助けなのです。自分が楽しんで、同時に人助けにもなる。こんな良い事はありません。日本が倹約は美徳とか言ってる間は景気は良くならない。お金をたくさん持てってる日本が、節約ばかりしていると、世界は困ってしまう。

日本は昔は貧乏でした。でも、今は豊かです。そして格差ができてきた。日本の格差は外国程では無いという経済評論家が言いますが、それでも、格差のせいか治安も悪くなってきた。自由主義経済ですから、格差はしょうがない。勝つ者が居れば、負ける者も居る。でも、過ぎると治安が悪くなり、勝った者も、自分を守る為にお金使ったりします。これこそ無駄。格差はしょうが無いにしても、底上げが必要でしょう。そして、勝者は、その稼いだお金で、ガードマンを雇うのでは無く、自分が楽しむ為に使う。そのお金が天下に回る。回れば、景気は良くなる?以上、戯言でした。

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