第八十二話 年末 

年の終わりになりますと、来年の事を考えてしまいます。豊富は何かと問われれば、もちろん、デイセーラーのさらなる躍進を願います。今年を振り返りますと、ハーバー25が入ってきました。このヨットは速い、スイスイ走ります。おまけにスタビリティーも高いので、シングルには最適なスポーティーヨット、ジブブームを持つヨットですが、アレリオンとのセーリングとはまた違う乗り味です。その他には、アレリオン28が相変らず入ってきました。

まだまだ、デイセーラーというヨットは珍しく、各地に納めても、そこの地域で始めてという事が多いです。ですから、周りの多くの方々が、珍しそうに見に来られます。大歓迎ですね、どんどん見に来てほしい。そのうち何人かとは、オーナーも含めてご一緒するわけですが、従来のクルージングヨットのオーナーばかりですから、クルージング艇のセーリングとは大きく違い、面白さは格別です。
ある方、これぞセーリング、と感想を漏らされておられました。嬉しいご感想です。

誰でもセーリングはするものの、セーリングそのものが目的でセーリングするというのは、意外に少ないものです。ところが、セーリングに面白さがあれば、誰でもセーリングそのものを味わってみたくなる。それがデイセーラーだと思います。操作のいろんな感触を味わって、走りのいろんな感触を味わって、それがビンビン感じられる。それが面白さです。もっともっと多くの方々に、このセーリングの感触を味わって頂きたい。セーリングがこんなに面白かったのか、ときっと感じられると思います。

そのセーリングを味わうに、クルーを要する時代は終わった。難しい操作をしなければならないとしたら、それはおそらく一部の人達だけのものになってしまいます。それではいけません。誰でも、望めば、グッドフィーリングが得られる。簡単にも乗れるヨットであり、ベテランがその気になれば、繊細な操作もできるヨットでなければならない。それがデイセーラーの真骨頂であります。

キャビンは他の多くのヨットが、これでもかとアピールしてきました。これからは、クルージングも良いが、セーリングも面白い。とアピールしていきます。日本全国のヨットオーナーのみならず、ボートで釣りもしないで退屈している方々にも、是非、セーリングをアピールしていきたいと思っております。

2010年、ハーバーヨット25に続いて、ハーバー30がデビューします。また、アレリオンにも33に”S”タイプというモデルが登場します。アメリカのヨット界はますますセーリングに目覚めてきている。セーリングを単なる移動と捉えずに、そのセーリングそのものに注目して頂きたいと思います。どんなセールフィーリングが得られるのか?そこから来る感触はどうか?そこを求めていきますと、セーリングの面白さが湧いてきます。

ゲストを招いた時でさえも、集いや移動目的だけにするのでは無く、ゲストにも、このセーリングの感触を味わってもらって頂きたい。ゲストだって、ただコクピットに座って、おしゃべりや飲み食いだけでは、たいした面白さは解らない。彼らだって、ヨットの特別の何かが味わいたいはずです。ヨットはこんなもんかと終わるのでは無く、多少大きくヒールしようが、スプレー浴びようが、その面白さの一端でも味わって帰ってもらう。単なる集まりでは無く、エキサイティングなフィーリングをちょっとでも味わって頂けると、きっとセーリングのファンになる人は増えていくと思います。

遊園地のアトラクションなんか、怖くて怖くて、でも、若い人達が大勢むらがり、そのスリルを楽しんでいます。水族館のイルカショーで、飛沫を浴びながら喜んでいます。遊びに行く時は、非日常で、無難さを求めているのではありません。安全は必要ですが、その中で、日常を吹き飛ばす、エキサイティングな何かを求めています。セーリングはそういう乗り物です。極めて安全であり、そしてエキサイティングなのです。そして、旅には長い時間を要しますが、セーリングは、短時間で味わえる。丁度、映画を楽しむ時間、野球を見に行く時間、そういう1ゲームを楽しむ時間でも、十分楽しめるのです。ならば、ちょいと出してみようという気にもなるものです。気楽でありながら、エキサイティングでもある。それがデイセーリングなのです。

デイセーリングはどんなヨットでもできます。それで、セーリングがちょっとでも面白く感じられたら、是非、次にデイセーラーのセーリングをお試し頂きたいと思います。その違いを感じて頂きたいと思います。

それでは、2010年、皆様のハッピーセーリングをお祈り申し上げます。

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