第一話 ヨットを見る目を持とう
市場には世界各国で建造されたヨットが輸入されています。これは実に有難い事です。 でも、それぞれには安いものから高いもの、ぴんからきりまでありますね。はっきり言って どれが良いやらさっぱり解らない。これが実情ではないでしょうか。世界中どこの国でも 安いのが最も売れています。これは日本も同じ、でも同時に高価なヨットも売れているの も事実、皆同じなら安いにこした事は無いはずです。 * これは自動車も同じです。安い車から高級車まで、何倍も高い車が売れる。安い車が載 れないのかと言うと、ちゃんと走ってます。結局は品質の違いですね。良い材質を使う、 腕の良い職人を使う、構造が違う、工法も違う、デザインも違う。これらが総合されて、そ のヨットの品質が決まり、価格が決まる。ただ、価格だけ高いヨットで品質が伴わないヨッ トがあるなら、それはすぐに市場から消え去る運命です。市場に残っているという事は、市 場がそのヨットを受け入れているという事です。それには理由があるはずです。 * 良い材質というのは、ヨットの寿命を延ばします。腕のある職人は良い仕事をし、構造が違 うと船体の剛性にかかわる。工法も違えばより強く、デザインは見た目だけでは無く、その ヨットのコンセプトを表現します。これらが総合して質の高いヨットが完成する。質の高いヨッ トはバランスが良く、壊れにくい、ガタが来ない、寿命が長い。つまり、長い寿命を想定して 建造するか、そこそこで良いと思って建造するかの違いとなります。新艇時には解りにくい かもしれませんね。でも、乗りこむと解ります。質の高いヨットは乗って楽なんです。時化る とよけい解る。車でもそうですね。同じです。良いものは良い。 * 目が慣れてくると、ある程度見ただけで解るようになります。理屈では無く、感じられるよう なる。そのヨットの持つ雰囲気と言いますか、取り囲む空気が違う。艤装品はどれもだいた い同じようなメーカーの物を使っています。ハーケンやリューマーなど、しかし、それでも違 う。何故か?取り付け方がしっかりしているとか、電気配線ケーブルに電飾がしないように 処理されているとか、見えない部分の気配りが違う。 * それで皆高品質ヨットを買うべきかと言うと、そういうわけではありません。予算と使い方に 合わせる事です。誰でもベンツを買うべきかというと、そういうわけでは無いのと一緒です。 でも、高品質の程度の良いヨットとそうでは無い新艇なら、高品質艇をお奨めします。もちろ ん、年式や程度にもよりますが。 |