第100話 調和

先日、市民の吹奏楽、ブラスバンドですが、そのコンサートに行く機会がありました。素人集団
なのですが、非常に素晴らしい演奏で、とても感激したのですが、話を聞いてみますと、意外
な事がわかりました。聞いている聴衆はとても気持ち良く、聞いていて楽しかったのはもちろん
なのですが、彼らは自分達が演奏をしていて、他のメンバーの演奏とピタッと合った演奏ができ
た時、演奏している彼らこそが鳥肌の立つような、実に気持ちの良い気分になるのだそうです。

これを聞いたときに思いました。ヨットも同じです。波と風とヨット、そして自分がピタッと合った時
最高の気分になれます。これは一人で無心にセーリングした時に、まれにあることです。こうい
う調和した時は、それまでに無い最高の気分を味合わせてくれます。この調和は何も、腕が上達
した人だけに訪れる物ではありません。全くの初心者というわけには行かないかもしれませんが、
ある程度操船になれてくると、必ずそういうチャンスが訪れてくると思います。

こうなってくると、もう乗らないわけには行きません。大勢で楽しくセーリングするもよし、船旅を楽し
むのも良し、でも、日常にデイセーリングの中で、近場で、こういう体験をしてみてはいかがでしょう
か。船の大きさにも関係無い。ただ、気分が乗った時は、真剣に走ってみる事です。多少、トリミン
グがまずくても良い、へたでも良い、集中すると無心になります。この時、幸運にも自然と調和する
と最高の気分になります。速いとか、そういうのでも無いんですね。どうすれば良いかは解りません
が、たくさん乗って感じてみてください。必ず来ます。そういう時が、これはいかなるヨットマンにも、
全ての人に味わっていただきたいと思うのです。これがヨットの醍醐味ではないかと思うのです。
ですから、遠くへ行かなくても良い、デイセーリングと行ってます。

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