第12話 クラシック+モダン

最近の小型艇ではクラシックなデザインに人気があるようです。クラシックとは言っても
従来のロングキールでは無く、水線以下は最新のデザイン、フィンキールを持ち、ラダー
形状も新しい設計です。さらに、リグも最新、それでうまく新旧が融合し、見かけはクラ
シックでも帆走性能は高い。デイセーリング、ウィークエンドの気軽なセーリングが人気
です。デイセーリングではやはり帆走を楽しみたいですね。安全はもちろんですが、シン
グルハンドでも簡単に誰でも操作ができて、それでいて走りも良い。デザインはクラシッ
ックで美しい。

こういうヨットは皆高いんですね。これらの造船所は従来ある大量生産艇の小型艇と比
較される可能性がある。それで独自のデザインと高い品質を保つ事によって、同じ土俵
で競争するような事はしない。差別化を明確に出しています。もともと大量に売ろうなん
て気はさらさら無いんです。但し、ウッドボートは意識しているようです。だから、FRPを素
材にして、価格を下げられる。手入れも簡単、そして、ウッドボートの専売特許だったクラ
シックさを取り入れています。こういうヨットはこれからも増えてくるんではないでしょうか。

初心者用というより、ベテランヨットマンが最後に乗るヨット、こだわりのあるヨットマン、こ
ういう方々がターゲットです。そして、ウッドでは手入れが大変だし、価格も高い。造船所
によってはウッドボートの造船所と同じようにセミカスタムで建造する所もあります。これ
で、オーナーを満足させよう、ウッドボートのお客様を引き込もうという魂胆でしょうか。
こういうヨットがどんどん出てほしいです。個人的には多いに応援しています。

こういうヨットの最大の欠点、それは天井が低いという事です。美しいプロファイルを演出
するには、低い船体でなければならない。これはデザインナーのコメントです。キャビンに
入って、真っ直ぐ立てない。それでこの同じデザインで、キャビンで立てるにはどのくらい
のサイズが必要かとき来ましたところ、最低、34フィートという答えでした。

GH26というヨットを取り扱いしていますが、この造船所、デザイナーに依頼して、GH34の
設計をしたそうです。建造計画は未定ですが、このヨットは私個人的には理想のヨットにな
りそうです。皆さんも自分の理想のヨットを考えてみてはいかがでしょうか。楽しいし、いつ
かきっとそういうヨットが見つかると思います。それに自分のコンセプトが明確になってきま
すよね。

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