第27話 価格の勘違い

ヨットを知らない方に聞くと、ヨットは贅沢、非常に高い、自分なんかとてもとても、と言う
方が多いような気がします。確かに、何億というするのもある。しかし、小さな中古艇な
んかは数十万円、場合によっては、あげます、なんてのもある。安く、楽しもうと思えば
可能なのです。もっと、現実的な事を知ってもらいたいですね。

でも、問題は次です。ヨットは安く手に入れる事はできる。しかし、係留料の安いところ
を見つけるのは難しい。ヨットを50万で手に入れたとしても、保管料に20万も30万も
払う気にはなれない。地方では年間1万とか数万とか、数千円なんてところもあるような
話を聞きます。これなら良いのですが、一般的には難しい。ヨットの普及を阻害する大き
な原因のひとつです。安い係留場所をもっとたくさん造ってもらいたい。漁港を半分くらい
ヨットやボートに開放して、漁協も収入を得たら良い。漁港は空いてます。

マリーナと称する所もやたらと豪華なクラブハウスなど造らずに、その分安くできないもの
でしょうか。それに、保管艇を何でも管理しようとせずに、自由に、オーナーの自主管理と
して、人間を減らす。できるだけ安い係留料を提供する。そうすれば、不況といえども一杯
になるんじゃないでしょうか。安い保管場所を探している人はたくさんいます。

一方、豪華なクラブハウスを持ったマリーナもあって良い。大型艇、高級艇ばかりが並ぶ
マリーナがあってもいい。要はお客様が選べば良い。漁港には置きたくないという人達も
少なからずおられます。それが皆一緒の所に置くのには無理がある。

とにかく、係留場所を増やしたい。かつて、ある本によると、日本でのマリーナ建設の費用
はひとつの桟橋につき、平均2700万ぐらいだったと思いますが、かかるという事だったと
思います。どこまでを含んでいたかは忘れましたが、これが本当なら、何年で取り戻すか
と計算した場合、どうしても高くならざるを得ないですね。土地代、漁業補償、人件費、建設
費、その他もろもろ。これではマリーナ事業で経営するのは難しい。

マリーナはヨットやボートに関係無い方々をどれだけたくさん呼び込めるようにするかという
所にポイントがあるような気がします。レストラン、ショップ、等々、オーナーの数は知れたも
の、だから一般客がマリーナに遊びに来れる、来たくなる、そういうマリーナが良い。何でも
牛耳らないで、いろいろな業者に出店させる。多くのレストランなど、ヨットみながら、ロマン
チックに食事をする。というのも海外では良くあるのですが。どこのマリーナでも、だいたい
たくさんのレストランがあり、みやげ物屋、コーヒーショップ、実に様々、周りをぐるりと歩いて
いるだけでも結構楽しめます。だから人が多い。活気があります。活気があると、オーナー
もマリーナに来たくなる。相乗効果が生まれる。

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