第34話 遅過ぎるなんて事は無い

ヨットを昔した事がある人ならいざ知らず、全くの未経験者にとっては夢にも見ない
かもしれませんね。日本は特にヨットを特別視するようです。でも、何が特別なので
しょうか?ライセンスは必要ですが、車より簡単ですし、誰でも取れる。まず、この事
を知っておいて下さい。船舶免許は簡単に取れます。あるおばあちゃんは60歳を過
ぎて免許を取られました。小型船舶1級です。

高価である。これもその気になればいくらでも安いのがある。ただから数十億円まで
ですから、これも特別視する理由にはならない。置き場にしてもそうです。高価なマリ
ーナから無料に近い漁港まで、どうにかなるものです。

最近よく聞く話で、多くの年配の方々が暇をもてあましている、という話を耳にします。
30年ほど前に山だった所が開発され、住宅街ができました。当時、同じような年代の
方々が購入されて、そして今、そこに住んでいる方々が同じように年を取り、子供達は
家を出て独立、だから年配者ばかりの住宅街なのです。そこから、ある方がヨットを始
められた。近所の方々は皆、暇をもてあますばかり、こうはなりたくない。でも、こういう
方は稀です。年を取れば取るほど保守的になるのが一般的です。でも、ちょっと目を外
に向けてみると、実に多くの年配者が、いろんな活動をしているのに気づきます。
でも、あの人は特別だ、自分にはできない、と思ってしまう方が多いのです。そして、
自分で自分の枠を狭めてしまう。何をするかを決める前に、どう思うかが最も大切です。

ある方は隣近所の冷ややかな意見、この年でヨット始めて、果たしてできるのか?そん
なお金を使って、この先どうするのか?などという話をよそに、今では一人で操船できる
ようになり、実に楽しんでおられる。この勇気があれば、一歩さえ踏み出す勇気があれば
誰でも楽しめて、そして若返るのです。精神が若返れば、肉体も若返る。元気になる。

誰でも知らない事には臆病になる。しかし、この1歩の勇気さえあれば、何でもできるの
です。実際、最も楽しむ事ができるのは60歳過ぎてからかもしれません。仕事をしている
うちは本当に楽しむには時間が無い。でも、引退すると毎日が日曜日。これを贈り物とし
て喜んで受け取れるなら、人生で最も充実した時を過ごせるのかもしれません。是非、
ヨットを始めてください。やってみれば何て事はないとわかるはずです。さらに、簡単なだ
けならたいした事はありません。やってみると実に自然で、やさしい部分、激しい部分、
平和な部分、緊張感、そういう感覚の豊かさに魅了されてしまいます。この与えてくれる、
いや獲得する感覚の豊かさこそが、充実感であり、心の豊かさではないでしょうか。
さあ、ぼ〜としている暇は無いですよ。時間はどんどん過ぎていく。どんな時間にしたいか
はあなた次第、誰のせいでも、社会のせいでも、不景気のせいでも、環境のせいでもない
自分の人生を他人のせいにしても、何も得るものは無い。自分がオーナーなのですから。
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