第46話 程よいサイズ
| それぞれに違った感覚を持つ我々ですから、本当はみんな自分の程良さを持っているわけ です。それが解らないと他人が持っている物と同じ物にしたくなります。何故かというと、同じ ならリスクが少ないと思うのかもしれません。失敗の可能性が少ないという事でしょう。でも、 これはうまく行くという事では無いのです。これはどう解決したら良いのでしょうか。いろんな サイズに乗るのが最も良い方法ではありますが、一般的にはこれは無理ですね。 そこで、どこどこに行きたい、何人ぐらい載せるか、大きい方が居住性が良い、大きい方が楽 あれもしたい、これもしたい、そしてこれらをまとめて予算と照らし合わせて決める。こういう ケースが多いようです。でも、それでも自分にピッタリという事になるとは限らない。 人にはそれぞれに合ったサイズというものがあると思います。理屈は抜きにして、ヨットを見た 時に丁度良いサイズというものを感じる。これは誰にでも感じられるものでは無いでしょうか。 ところが、すぐに何人乗れるか、中がもっと広い方がゆったりできるのでは、というような考え が頭をもたげてきます。それで、せっかく程よいサイズを感じたのに、大きくするという事も多い ような気もします。 感じたほど良いサイズは、自分が操船して、もっとも楽しめる、自由自在に操れるという事を 自然に感じ取ったのではないかと思うのです。ヨットをヨットとして本来の楽しみ方に合ったサ イズではないかと思うのです。そして、次に来る考えがヨットに付随するおまけへの欲求では ないでしょうか。そちらを優先すると、自由自在という感覚にはなかなか到達できないような気 がします。 そして、程良いサイズというのは、変化するのです。今はこのサイズ、でも10年たったら、程 良いサイズは大きくなったり、小さくなったりする。そういうものです。だからと言って、10年後 にピッタリ来る(実際はわからないのですが)サイズを求めても、これは今はピッタリ来ないの です。ここが難しい。先は先の事として、今程よいと感じるヨットがピッタリなのではないでしょ うか。ヨットは遊びです。何かを運ぶとか、何人載せなければならない、とかいうより最も自分 が気持ち良く操船できるサイズが最も良いと思うのです。それは理屈では無く、感じるもので す。何となく小さ過ぎる、或いは、良いけど、何か圧倒される。そういうものはやめた方が良い。 ピッタリサイズを感じ取るのが良いと思うのですが。 ちなみに、あるオーナーは30年ぐらいのベテランです。自分の今のサイズは25フィートだと、 買い換えられました。小さくされたのです。また、あるオーナーは53フィートを乗りこなされます いずれもシングルです。そう、シングルで乗りこなせるピッタリサイズ、これが良いと思うのです。 |